出版社内容情報
ピーター・トレメイン[ピータートレメイン]
著・文・その他
甲斐萬里江[カイマリエ]
翻訳
内容説明
和平協定締結のためにモアン王国を訪れた小王国の大族長とモアン国王を、何者かの矢が襲った。二人の命に別状はなかったが、両国は一触即発の危機に。国王は自国の潔白の証明を、妹であり、法廷弁護士・裁判官の資格をもつ修道女フィデルマに託す。だが襲撃者は既に殺され、フィデルマはわずかな証拠を頼りに、襲撃に使われた矢の出所と思われる村に向かう。好評シリーズ第七弾。
著者等紹介
トレメイン,ピーター[トレメイン,ピーター] [Tremayne,Peter]
1943年英国生まれ。本名はピーター・ベレスフォード・エリス。ケルト関係の学術書を数多く著し、学会の会長や理事もつとめる著名なケルト学者でもある。また小説家としても精力的に活動しており、ホラーやファンタジー、ピーター・マッカラン名義のスリラーなどを刊行している
甲斐萬里江[カイマリエ]
早稲田大学大学院博士課程修了。英米演劇、アイルランド文学専攻。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さつき
46
7世紀のアイルランドを舞台にしたミステリー。主人公のフィデルマはモアン王国の王妹にして法廷弁護士の資格を持つ修道女。アイルランド史の知識は皆無なので、このシリーズで描かれる世界を鵜呑みにするしかないんですが、ブレホン法が行き渡っていたこと、ローマ・カトリックとは違う教義をもつケルト・カトリックの教えなど、とても興味深いです。肝心のストーリーは、次々に事件が起き目が離せません。かなり気になる所で下巻に続いているので、引き続き下巻を読みます。2017/06/15
Nat
33
フィデルマこれまでで最悪の危機に遭遇。続きが気になる。2022/03/02
星落秋風五丈原
32
フィデルマの初登場シーンで額にふわりとこぼれている言うことをきかない一房の巻き毛が注目されたり、幼い頃からの知り合いである薬師が『悪しきものが今日辺りに跋扈しておるような気がするのですわ』とスターウォーズの決め台詞『I have a bad feeling about this(イヤな予感がする)』を彷彿とさせる台詞を口にしたり『もし我々の許から在る場の聖遺物が盗まれたなら、我々には、王国が敵の手に落ちることを防ぐ手立ては何一つないのだ』と言ってた聖遺物が紛失。いろいろな意味で第一作と似通っている本作。2016/01/16
mahiro
30
フィデルマの故郷モアン王国で国王とその客人である大族長の暗殺未遂がおこり、国の存亡に関わる大事件となる。真相を探るべく動き出した王妹フィデルマにも命の危険が迫る。旅の途中で妨害に会い、目的地の修道院は襲撃され、聖なる巨樹は切り倒される。私が読んだシリーズの中では1番ドラマチックな展開に目が離せなくなる。いつの間にかサクソン人のブラザーエイダルフが相棒化しつつあるようだ。 2022/10/18
mayumi
23
フィデルマシリーズ第七弾。今回は兄国王の暗殺未遂、修道院が襲撃されるなど、怒涛の展開。そして相変わらずフィデルマの身分を告げる時の水戸黄門的展開も面白い。ただ、表紙の絵が結構グロいのには驚いた。帯で隠れてて気付かなかったんだけれど、読書メーターに感想書こうとしてよくよく見たら、首を切断された男2人の絵だったわ…。2017/02/25