出版社内容情報
教皇のお膝元ローマでアイルランドとサクソンの争いが再燃しかねない事件が発生。フィデルマとエイダルフが再び調査にあたることになった。修道女フィデルマ、長編第2作。
内容説明
フィデルマはローマにいた。幸い、ウィトビアの事件を共に解決したエイダルフが加わっている、カンタベリー大司教指名者の一行と同行することができた。ところが、肝心の大司教指名者がローマで殺されてしまったのだ。犯人はどうやらアイルランド人修道士らしい。フィデルマとエイダルフは再び事件の調査にあたるのだが…。美貌の修道女フィデルマが縺れた謎を解く。長編第二作。
著者等紹介
甲斐萬里江[カイマリエ]
早稲田大学大学院博士課程修了。英米演劇、アイルランド文学専攻。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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榊原 香織
82
オドロイタ。修道女フィデルマ、合気技使うじゃないですか(ドルイドのトゥリッド・スキアギッドという護身術らしい) 7c、ローマ出張での殺人事件。長編第2作。1作目よりは面白い。 ドルイドの瞑想法;デルカッド、テイン・レイグダ、イムバス・フォロスニー2022/12/18
ペグ
63
1400年も前のお話。キリスト教の教えはローマ、アイルランドとそれぞれ異なり事件も複雑ですが見事解決。フィデルマとエイダルフの微妙な距離感がとても良いです。最後18章の桟橋の場面はとても美しく駆け寄るリキニウスに嫉妬するエイダルフに心のなかでつい応援していました。本当に美しい場面で小説は終わります。いうことをきかない一房の髪の毛、緑の瞳のフィデルマに又会えるのが愉しみです。2017/07/29
南北
60
前作でローマに来ることになった修道女フィデルマが探偵役のミステリー。助手はカンタベリー大司教に任命予定の人物に随行してきたエイダルフだが、その大司教に任命予定の人物が殺害される。ローマに来てもアイルランドのブレホン法の法廷に立つドーリィー(弁護士)と主張するなどプライドが高過ぎると思ったら、元王女だったのか。それにしてもトゥリッド・スキアギッドという護身術まで身につけているとはスキルを盛りすぎな気がするが、科学的捜査がほとんどできない時代だから無理もないかもしれない。2021/03/02
たま
56
フィデルマシリーズの長編で7世紀のローマが舞台。ローマものとして読んだ。著者はアイルランドキリスト教の教義や歴史に詳しい研究者、主人公は真面目な法律家とあって物語は実に粛々と進む。解説の若竹七海さんがその辺りを上手にからかっていて楽しい。カタコンベで迷ったりベンハー戦車?に乗ったりのアクションもある。初期キリスト教の教義論争も面白い。サクソン人司教や修道院長の悪者扱いもすごい。この時代は戦争による疲弊、イスラム教の伸張などローマ帝国の衰退期ではあるが、そこでも人々は生き生きと生きていたのだと改めて思う。 2022/08/04
Nat
44
フィデルマシリーズ2作目をようやく読了。前作は犯人が何となくピンときたのに、今回は全くわからなかった。殺人に次ぐ殺人で、真相は二転三転という感じで楽しめた。2022/01/14