出版社内容情報
アイオナ派かローマ派か。ウィトビアで歴史的な教会会議が開かれようとしていた。だが、会議を前にアイオナ派の有力な修道院長が殺害された。調査にあたるのはアイオナ派の若き美貌の修道女“キルデアのフィデルマ”。ローマ派から選ばれたサクソン人の修道士とともに、事件を調べ始めるが……。フィデルマの名を世に知らしめることになる大事件と、後に良き相棒となるエイダルフとの出会いを描いた、ファン待望の長編第一作ついに登場。
内容説明
ウィトビアでの歴史的な教会会議を前に、アイオナ派の有力な修道院長が殺害された。調査にあたるのはアイオナ派の若き美貌の修道女“キルデアのフィデルマ”。対立するローマ派から選ばれたサクソン人の修道士とともに、事件を調べ始める。フィデルマの名を世に知らしめることになる大事件と、後に良き相棒となるエイダルフとの出会いを描いた、ファン待望の長編第一作遂に登場。
著者等紹介
甲斐萬里江[カイマリエ]
早稲田大学大学院博士課程修了。英米演劇、アイルランド文学専攻。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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榊原 香織
69
修道女フィデルマシリーズ、長編第1作。 7c、キリスト教のアイオナ派とローマ派のどちらを正統とするか決める会議で殺人事件。 これちょっと難しいので日本では3作目から先に翻訳出版された2022/12/08
南北
69
7世紀のイングランドの教会会議で起きた殺人事件のミステリー。アイルランド・カトリックとローマ・カトリックの対立を調整するのが目的の会議と言われても、ピンと来なかったが、冒頭の「歴史的背景」で「共住修道院」という男性聖職者と女性聖職者が共同生活する修道院があるというのはおもしろいと思った。ヒロインの修道女フィデルマが探偵役だが、愛すべき欠点のようなものがないのが難点だと思う。作者はアイルランドの宗教や法律が7世紀において先進的であったことを主張したいためにこの小説を書いたのではないかと思ってしまう。2021/02/17
Nat
44
明日から冬休み!シャードレイクシリーズと違って安定したシリーズとなっている修道女フィデルマシリーズ。安心して何冊も注文してしまいました。冬休みが長いので旅行に行きたいけど、雲行きが怪しくなってきました。掃除と隙間時間に読書かな。とシリーズを6冊購入して1冊目がまあまあ面白かったので、今日追加で4冊購入してしまいました。犯人は最初にこの人かなと思っていた予想が的中!共住修道院の存在や664年時点では司祭が結婚出来たことを初めて知りました。次作は舞台がローマなので、それも楽しみ!2021/12/24
ぽんすけ
43
キリスト教の公会議が開催される修道院での殺人。ここで俺たちのエイダルフとフィデルマの初めての邂逅が描かれていてちょっとテンションがあがりました。でも疑問に思うのがなんで邦訳は原作の出版順でなかったのかということ。普通にこの本が一作目なので邦訳もこの本から初めてほしかった。そしてエイダルフに対するフィデルマの当りのきつさよ。フィデルマはエイダルフの寛容さと優しさに感謝すべき。自分だったらこんなにつんけんして付き合いづらい人友人でも無理。今回の殺人はこの人では?と結構最初の方から怪しんでた人が犯人だった。2022/12/19
mahiro
35
7世紀のイングランド、ローマ派アイルランド派2つのカトリック派閥の教会会議の行われるウィトビアで修道院長殺人事件が起こる。その場に派遣されていた修道女フイデルマが反対派閥の修道士エイダルブと共に事件の謎に挑む。日本では飛鳥時代頃か、広まって間もないキリスト教どうしの勢力争い、王家の王位争いサクソン、ピクト、アイルランド人など民族の軋轢憎しみ等が絡まって歴史物語としても面白い、ただ主人公フィデルマが頭脳明晰、ホームズ並みの推理力、理性的すぎてキャラとしての魅力に難あり…仄かに恋情の欠片くらいはありそうだが2022/09/13