内容説明
殺人現場の修道院で、調査を始めるフィデルマ。尊者ダカーンは、そこで何を調べていたのか?人々の証言から次第に浮かびあがるダカーンの真の姿。調べ進むうちに、なぜか絡まり合った幾本もの糸が、モアンと隣国の間にある小王国につながっていく。裁判の日が迫るなか、フィデルマは、祖国の危機を救うことができるのか。七世紀のアイルランドを舞台にした好評シリーズ第二弾。『蜘蛛の巣』に続くケルト・ミステリ。
著者等紹介
甲斐萬里江[カイマリエ]
早稲田大学大学院博士課程修了。英米演劇、アイルランド文学専攻。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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榊原 香織
51
上下巻の下 おお、修道女フィデルマ、ケルトの武術で敵を背負い投げ 古代の裁判シーンが読ませ処なのだろうか2023/07/14
Nat
36
面白かった。でも、怒涛の展開であまりにも被害者が多すぎる。フィデルマが感情的に行動したことによる犠牲者が出たことが残念。次作はエイダルフが登場するといいなぁ。2022/01/20
坂城 弥生
31
ちりばめられてた謎がスッキリ解決した。2022/06/06
ぽんすけ
27
まず最初に一言、カースとても残念だ。これに関しては全てフィデルマのせい!死ぬ必要性のない場所で、戦士の名誉とは無縁の死を迎えることになったのは自分のせいだともっともっとフィデルマには反省してもらいたかったが、この作品なんの罪もない人々を殺しまくるインパクトある外道が他にもいるためカースの死が薄れがちである。話事態は国家間の陰謀とそれに踊らされる人々が事態を複雑にしていったせいで何人もが不幸な目にあった。唯一の救いはフィデルマが法廷で全ての真実を明らかにしたこと。未来に希望の種がまかれたと思うことにしよう。2022/11/20
Hugo Grove
18
再読。嫌な人物を描かせたらこの作家といいたい。登場人物たちがこぞって嫌なやつばかり。女主人公フィデルマがまず気が強くて高飛車で結構嫌な性格である。それでも事件は複雑でなかなか真の姿を現さない。そこを根気よく話を聞き、床にはってまで証拠を探し、深く考察し真相に迫る。その過程が実に面白い。イヤミスだけどこのシリーズ、見逃せない。2017/06/13