内容説明
疫病が国土に蔓延するなか、王の後継者である兄に呼ばれ故郷に戻ったフィデルマは、驚くべき事件を耳にする。モアン王国内の修道院で、隣国の尊者ダカーンが殺されたというのだ。このままでは二国間の戦争に発展しかねない。殺人現場の修道院に調査に向かったフィデルマは途中、村が襲撃される現場に行きあうが…。美貌の修道女フィデルマが、もつれた事件の謎を解き明かすシリーズ第二弾。
著者等紹介
甲斐萬里江[カイマリエ]
早稲田大学大学院博士課程修了。英米演劇、アイルランド文学専攻。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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榊原 香織
56
上下巻の上 シリーズ3作目? 7c、ケルトミステリー 今回の舞台は現代ならウェールズかな? 修道女裁判官フィデルマの活躍 修道院内図書館と薬草園が素敵ぽい2023/07/13
南北
53
シリーズ長編3作目。ようやく故国アイルランドに戻ってきたフィデルマだが、隣国の大学者がモアン王国内の修道院で殺害され、兄のモアン国王からその調査を依頼される。事件の背景には隣国の領土的野心も見え隠れし、裁判の日も迫る中さらなる殺人が起きる。ミステリーではあるが、訳注が詳しいこともあって歴史小説のように読んだほうがいいのかもしれない。今回は助手のエイダルフがいないのをフィデルマが意識し始めたのがおもしろかった。また、聖職者の独身制について指摘はカトリック教会の未成年者への性的暴行が念頭にあるのかと思った。2021/03/09
坂城 弥生
42
色んな謎が出てきて下巻でどう決着するのか楽しみ。2022/03/11
Nat
36
フィデルマシリーズ3作目。フィデルマの故郷アイルランドが舞台。相変わらず登場人物が沢山登場。馴染みがない地域なので地図が出ていて助かった。次期王である兄の依頼で、祖国が戦乱に巻き込まれるのを防ぐために奮闘するフィデルマ。しかし2作目までの相棒エイダルフが登場せず、寂しい限り。次々に事件や問題が起こり、謎が絡み合っている。上巻はフィデルマがどんどん苦境に陥っていく。誰が犯人なのか全く予想が立てられない。下巻が楽しみ。2022/01/19
鷺@みんさー
36
もー、誰も彼もが怪しいぃ…!疫病の蔓延で王が死亡、時を同じくして隣国の偉人が高名な修道院で何者かに惨殺される。あわや戦争の事態を避けるため、急ぎ修道院ヘ向かうも、道中で村丸ごと焼き討ちの現場に遭遇し、生き残ったシスターと孤児たちを引き連れ、ようやっと到着!んだけどなーんかみんな隠し事してるわ、孤児たちも秘密持ってるわ、殺された偉人は評判通りの人物じゃなかったわで、フィデルマ、ピンチ!忙しい!時間がない!なのに愛しの彼はそばにいてくれないという苦境に大苦戦。でも下巻で見事に解決できると信じてる。頑張れ!2020/11/17