内容説明
官僚の権力の源泉は何か。官僚の裁量の程度を左右する要因は何か。また官僚はどのような環境のもとで職務をとりおこなっているのか。ウェーバー以来の理論とモデルを紹介しながら官僚制の実態に迫る。
目次
序章 官僚批判のなかで
第1章 官僚制の権力
第2章 官僚制の合理性
第3章 官僚制の2つのキャリア・システム
第4章 委任と裁量
第5章 官僚の行動様式
第6章 第一線公務員
第7章 司法官僚
著者等紹介
真渕勝[マブチマサル]
1955年神戸市に生まれる。1980年京都大学法学部卒業。1982年京都大学大学院法学研究科修士課程修了。大阪大学法学部助手、同助教授、大阪市立大学法学部助教授、同教授、京都大学大学院法学研究科・法学部教授を経て、現在、京都大学公共政策大学院教授。博士(法学)。主要著書、『大蔵省統制の政治経済学』(中公叢書、1994年(サントリー学芸賞受賞))『行政学』(有斐閣、2009年(日本公共政策学会賞受賞))など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とある本棚
6
行政学のエッセンスがコンパクトにまとまっている。行政学を理解するための基本的なモデルがいくつか出てくるが、著者の軽妙な筆致と豊富な具体例でスイスイ読み進めることができる。直接市民と対峙する第一線公務員が実はかなりの裁量を有していることや、裁判官の出世ルートは直接裁判を行うのでなく、司法行政を長く担当すること等、意外と知らない事実も面白い。2022/06/16
ふにゃ
2
事例を追っていると、おぼろげながら見えてくるものがある。本を読むと、そういう現象にすでに言葉が与えられていることがわかる。自分の思考の道具が得られる本。/司法官僚のところが一番面白かった。裁判長長官になるような人はどのようなルートをたどって出世していくのか。リアルなお話。2013/07/17
あうあうあ
1
ジョグジャカルタにて読了。第7章 司法官僚が本書の特徴。2017/09/14
Ryueno
1
内容は真渕勝(2009)『行政学』有斐閣と重なるところが多い。1~5章に関しては、同書の官僚制に関する部分を抜粋し、必要に応じて加筆修正したものと考えても差し支えなさそう。ただし4章の後半および6章は大幅に加筆、第7章の司法官僚の部分は書きおろしと思われる。理論的な説明のみにとどまらず、官僚の活動の実態に関する記述も多いため、教科書的な本の割には面白く読めた。2012/07/04
Kenji Suzuya
0
官僚制について、行政学の教科書を補うように全体が構成されている。特に着目する点があるのは、実際に一般の市民と接して政策を遂行する立場にあり、相応の裁量を有している第一線級公務員と、裁判所という機関の運営に携わるものとしての裁判官の側面を捉えた司法官僚についての記述である。2015/09/09
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