内容説明
パリに住むアンナは不可解な記憶障害に苦しんでいた。高級官僚である夫は、脳の生検を勧めるが…。同じパリの街で不法滞在のトルコ人女性たちが次々に顔をつぶされた死体となって発見された。この猟奇事件がアンナの記憶障害と奇妙に交錯し、驚くべき真実が明らかになる!世界的大ベストセラー『クリムゾン・リバー』のグランジェが、ふたたび世界のミステリ界を震撼する。
著者等紹介
高岡真[タカオカシン]
フランス文学翻訳家、フランス・ミステリ研究家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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fseigojp
18
トルコとの微妙な関係など興味深かった とにかくジャンレノかっこいい2015/09/20
Yoko
16
「クリムゾンリバー」に勝るとも劣らない壮大なスケールと専門分野にも及ぶ内容、そして際立つキャラ設定…本当に本当にすごい作家さんです。風呂敷を広げに広げ、それで鶴を折っちゃうくらいな、まぁ残念ながら私の拙い表現ではそんな風にしか言えません。そして、え?まさか⁉︎そんな…となる清々しいほどの幕引きがこの作家さんの真骨頂なのかも。容赦ないですよ。2017/05/07
🐾ドライ🐾
10
奇数章は記憶障害に苦しむアンナ・エイムズ、偶数章は司法警察警部ポール・ネルトーの視点で進む。ポールが追う事件はトルコ人居住区で起きた凄惨な連続殺人。ただトルコ人の結束が強く情報が手に入らない。やむを得ず引退した警部ジャン=ルイ・シフェールに協力を求める。シフェールはル・フェール(鉄の男)とル・シフル(裏金)という異名を持ち現役時代から黒い噂が絶えなかった。一方のアンナが徐々に記憶を呼び覚ますと事件の繋がりが見え始める。 台詞は渋いし、人物の背景・場面の描写はキメ細かい。読ませる!極右勢力、民族主義等の→2017/01/04
Masa
9
読了。『クリムゾン・リバー』は面白かったもののどストライクではなかったので、あまり期待せずに読みましたが、おおう、思っていたより面白いじゃないか! と。正直、『クリムゾン・リバー』よりかなり面白かった。エンディングも好みな感じでGoodでした。映画、観てみたいなー。
stobe1904
9
【スケールの大きなフレンチミステリ】『クリムゾン・リバー』のグランジェのミステリ。猟奇的な連続殺人事件とスケールの大きな謎をうまく組合せて、読み応えのあり、奥行きのある作品とする力量は相変わらず素晴らしい。個人的にとても好きな作家なので、昨今の『クリムゾン・リバー』の再版や『通過者』の出版はとてもうれしい。この勢いで未訳作品の翻訳も期待したいのだが…。★★★★☆2018/12/18