内容説明
イギリスからの独立を巡り、長年にわたって大勢の血が流された国、アイルランド。その首都ベルファストを訪れたジャーナリストのサム・ブリスコーは、“スティール司令官”と呼ばれるIRA幹部へのインタビューに成功する。だが、このときスティールから託された手紙が、彼を危険な争いに巻きこんでいくのだった。ニューヨーク派ハードボイルドとして名高いピート・ハミルの傑作。
著者等紹介
高見浩[タカミヒロシ]
1941年、東京に生まれる。1965年、東京外国語大学卒業
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感想・レビュー
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paluko
1
離婚歴あり、女と事件には不自由しない記者のサム・ブリスコーを主人公とする三部作の最後の一冊らしい。今回のサムはIRA幹部からニューヨークのある店に届けてほしいと“とても重要な手紙”を預かるが…。アイルランドのカトリックvsプロテスタントの対立の根深さを背景にしたシリアスタッチのハードボイルド小説。予期せぬ箇所でいきなり出現するコメディタッチも含め、ロバート・B・パーカーの「探偵スペンサー」シリーズに通じるものがあります。2019/02/25
安土留之
0
久しぶりにピート・ハミルを読んだ。アイルランドを訪問し、IRA(アイルランド共和軍)とその対抗勢力の争いに巻き込まれたジャナーリストの物語。 エッセイでは深みのある落ち着いた文体のハミルだけど、本作はドタバタした展開でちょっとがっかり。アイルランドものなら、やっぱりジャック・ヒギンズですね。ヒギンズ、再読しようかと思いました。 2021/06/30