出版社内容情報
消えた修道女を捜してほしい、マロリーのもとに一件の訴えが持ち込まれる。同じとき、彼女の甥と思われる盲目の少年も姿を消していた。数日後、修道女は意外なところで発見される。市長邸の正面階段に積まれた四体の死体、その中に彼女もいたのだ。市長に恨みをもつ者の仕業か? その頃少年は、ある男のもとに囚われていた。盲目の少年に脱出の機会はあるのか。一方殺害事件を追うマロリーは……。『氷の天使』のマロリー・シリーズ、最新刊。
内容説明
消えた修道女をさがしてほしい―マロリーのもとに一件の訴えが持ちこまれる。同じころ、彼女の甥と思われる盲目の少年も姿を消していた。数日後、修道女は意外な場所で発見される。市長官邸の正面階段下に置かれた死体の中に彼女もいたのだ。一方少年は、ある男のもとに囚われていた。盲目の少年に脱出の機会はあるのか。心を打つラストが印象的な、マロリー・シリーズ最新作。
著者等紹介
オコンネル,キャロル[オコンネル,キャロル] [O’Connell,Carol]
1947年、米ニューヨーク州生まれ。カリフォルニア芸術大学、アリゾナ州立大学に学ぶ。46歳でデビュー作『氷の天使』を刊行、たちまち評判に
務台夏子[ムタイナツコ]
英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
133
アメリカでは、これを最後にマロリーの新刊は出ていないようだ。ライダーもチャールズも、そしてもちろんマロリーは、頭の中でキャラクターとして出来上がっていて、私はその中の誰にも別れを告げたくないから、このままで良いのかもしれない。オコンネルがにおわせる悲しい未来を目の当たりにしたくないと思う。刑事ものは、これが一番。何万本ものバラの中に佇むマロリーが愛しい。2020/05/07
yumiha
37
マロリーシリーズ最新作。前作『ゴーストライター』あたりから雰囲気が変わってきたように思う。まずソーホー署の刑事たちがそれぞれ主張し始めたこと。それはマロリーが仲間たちから浮いた存在ではなくなってきつつあるからだと思う。その反面、これまで準主役級だったチャールズやライカ―の存在感が薄い。原題BlindSightが示すように、ジョーナを通して目が見えない世界に詳しく、教えられたことが多かった。イチオシは、マロリーがジョーナを救おうとキスをする場面。冷血ソシオパスだけではないマロリーを読者だけが知っている。2020/08/08
しましまこ
33
観光客で溢れかえるニューヨークの街角、白昼消えた修道女を見つけて欲しい。マロリーのもとに持ち込まれた訴え。同時刻、彼女の甥も消えていた…。修道女を含む四体の死体、取り出された心臓、殺し屋に囚われた盲目の少年。殺し屋がまともに思える程のクレイジーな事件の真相!!全てを支配する(笑)マロリー、止めときゃいいのにマロリーに協力しつつも歯向かうチャールズ!死者の鳴らす鈴の音と薔薇の香りがいつまでも頭から離れない。今回も読書の楽しさ堪能!なのに2016年以降新作がないなんて、どうしたら…2020/03/30
tom
27
お久しぶりのマロリーさん。この人、人の痛みが理解できない、感情も情緒も理解できないという設定。でも、彼女は、普通の人(普通が何かはともかく、そこらあたりにいる普通の人)には見ることができないものが見えてしまう。そして、この彼女が捕らわれの身になった盲目の少女を救うために奔走する。彼女の心の深いところに、ひどい仕打ちを受けた処女とシンクロするものがあったというストーリー。そしてまた、彼女はそのことに気づくことができないトーリー。マロリーさんの物語、全巻読んでみようかと思った次第。 2020/07/27
ヘジン
12
キャロル・オコンネル、翻訳小説初心者のときに読んであんまりぴんと来なかったんだけど、いろいろ経てから改めて読んでみると、いやとても好みの作家ですみません。原文を生かして、変につるんとした読みやすい翻訳にしてないところもまた好きなんだよ。時間はかかるけど、たっぷり楽しめた。マロリー・シリーズ12作目だけど、まだ20代半ば設定なんだね。キレッキレでツンデレのマロリーが相変わらず愛おしい。未読のもあるからそのうち制覇したい。2020/09/17