出版社内容情報
被害者は警察官の卵。国家犯罪捜査局の面子にかけて、迷宮入りは許されない。だが有力な容疑者は挙がらず、センセーショナルな見出しを掲げるマスコミの餌食になるばかり。そこに乗り出したのは新たに局の長官に任命された“角の向こう側を見通せる男”ラーシュ・マッティン・ヨハンソン。尻を叩かれたベックストレームらは、被害者の男性関係を洗い直す。英国ペトローナ賞受賞、スウェーデン・ミステリの重鎮による警察小説シリーズ。
内容説明
被害者は警察官の卵。国家犯罪捜査局の面子にかけて、迷宮入りは許されない。だが有力な容疑者は挙がらず、警察への批判は高まるばかり。そこに乗り出したのは、新たに局の長官に任命された“角の向こう側を見通せる男”ヨハンソン。尻を叩かれたベックストレームらは、被害者の男性関係を洗い直す。英国ペトローナ賞受賞、スウェーデン・ミステリの重鎮による警察小説シリーズ。
著者等紹介
ペーション,レイフ・GW.[ペーション,レイフGW.] [Persson,Leif GW.]
1945年スウェーデン、ストックホルム生まれ。スウェーデンを代表するミステリ作家のひとり。犯罪学教授として、国家警察委員会の顧問も務めていた。1978年にデビュー作Grisfestenを発表。以降何作ものミステリを発表している
久山葉子[クヤマヨウコ]
1975年兵庫県生まれ。神戸女学院大学文学部英文科卒。スウェーデン在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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のぶ
74
下巻に入っても上巻の冒頭で起きた、警察大学の学生、リンダの捜査は続く。全編を通じこの事件の記述に終始し、作品の構造は比較的シンプルだった。この事件を迷宮入りさせられない警察のメンツにかけ必至の捜査は続くが、責任者のベックストレームがダメ警官で一向に捜査は進展しない。そこで投入されたのが新たに局の長官に任命されたヨハンソン。彼が登場して以降は物語が締まり捜査も進展を見る。最後には犯人が浮かび上がって来るが、全体を通し地味な印象を受けた。これは先に読んだ「許されざる者」に似た印象だった。2020/03/30
NAO
54
下巻に入り、作者のデビュー作で代表作でもある『許されざる者』の主人公ヨハンソンが登場。(ただし、時系列的には『許されざる者』以前の話になる。)途端に話がスイスイ進んでいく。警察組織に対する風刺が込められているこの話、冗長でこの半分でもよかったのではないかと思うけれど、それだけ作者の警察にもの申したい思いが強かったということだろう。腕の立つヨハンセンにしても、かなりの曲者だし。2024/02/13
あさうみ
53
事件よりも冷えたビールの方が大切な、頭のネジが飛びまくった警部の捜査がなんともいえない味。一癖ありまくる仲間も総じてまるでコントのような。でも、事件を解決にもっていくのが、またなんとも。ヨハンソンの活躍シリーズもあるようで、こちらの翻訳も是非期待したい。2020/01/25
神太郎
35
まさかのベックストレームが途中降板(ストックホルムに呼び戻される)なんて誰も思いやしない。犯人逮捕の瞬間までいれたのは良かったのだろうが(しかし、それもほぼ部下のおかげ)。ドタバタしてたけど結局のところベックストレームがやってた事は事件解決に関係なかったようで、、。しかも、やはり予算食いすぎてたじゃねえか…。事件もどこかしっくりこない終わり方でここら辺は北欧小説にはよくあるのかなと思う。ベックストレームシリーズも何作か刊行、邦訳してるけど、ベックストレーム何気に人気なのかな?2024/10/04
ハスゴン
31
癖のある主人公だけの物語かと思っていたが、キチンと読ませる小説で次回作も出ているのでが近く読みたいと思います。2021/06/16