出版社内容情報
自然科学的な世界観のなかで、経験のクオリアはどのように位置づけることができるのか。表象主義の立場からこの難問を乗り越える。
赤を見る経験や虫歯が痛む経験は、それぞれに独特の感じ(クオリア)を伴う。このクオリアこそが、経験を自然主義的に理解し、心を物的世界に位置づけるための最大の難関である。クオリアを経験の対象が持つと表象される性質として捉える「表象主義」のプログラムを展開し、現在最も有望とされる哲学的立場を作り上げた記念碑的著作。
[関連書] 同著者 『行動を説明する』 (双書現代哲学1、勁草書房刊)
謝 辞
序
第1章 感覚経験の表象的性格
1 表象の本性
2 自然的表象と規約的表象
3 表象システムと表象状態
4 表象される性質と表象される対象
5 志向性
6 心と脳――経験のありか
第2章 内観
1 置換知覚
2 他人の心を知る
3 自分自身の心を知る
4 経験なしの知識
第3章 クオリア
1 フレンチ・プードルとフレンチ・ワイン
2 表象される性質としてのクオリア
3 視 点
4 電場を経験するとはいかなることか
5 電場を経験するものであるとはいかなることか
第4章 意 識
1 意識的存在者と意識的状態
2 状態意識にかんする高階理論
3 意識の機能
第5章 外在主義と付随性
1 見えと付随性
2 置き換え論法とクオリア欠如
3 説明上の関連性
4 進化的起源
注
訳者解説
文 献
索 引
内容説明
自然主義的な世界観のなかに、経験のクオリアをどう位置づけるのか。表象主義の立場からこの難問を乗り越える。知識への関心と自然主義を二つの柱とすることによって、ドレツキ哲学の全体的な構想が明確になる。
目次
第1章 感覚経験の表象的性格(表象の本性;自然的表象と規約的表象 ほか)
第2章 内観(置換知覚;他人の心を知る ほか)
第3章 クオリア(フレンチ・プードルとフレンチ・ワイン;表象される性質としてのクオリア ほか)
第4章 意識(意識的存在者と意識的状態;状態意識にかんする高階理論 ほか)
第5章 外在主義と付随性(見えと付随性;置き換え論法とクオリア欠如 ほか)
著者等紹介
ドレツキ,フレッド[ドレツキ,フレッド][Dretske,Fred]
1932年、アメリカ合衆国イリノイ州生まれ。1960年、ミネソタ大学にて博士号を取得。現在はスタンフォード大学およびウィスコンシン大学名誉教授、デューク大学教授
鈴木貴之[スズキタカユキ]
1973年、神奈川県生まれ。2003年、東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。博士(学術)。南山大学人文学部専任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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