出版社内容情報
33歳の訪問看護師マイロは、公園でビデオカメラとテープを発見する。テープに映っていたのは、自分と同じ年頃の女性による、友人が自分のせいで亡くなったという告白だった。さまざめと泣く彼女に、自分も誰にも言えない秘密を抱えるマイロは深く共感してしまう。この人を探し出し、何か協力することはできないだろうか？ マイロは女性を探し始めるが、それがとてつもない事態に発展して……。「秘密」をめぐる奇妙で愛おしい物語。
マシュー・ディックス［マシュー・ディックス］
著・文・その他
?山祥子［タカヤマショウコ］
翻訳
内容説明
３３歳の訪問看護師マイロは公園で、放置されたビデオカメラとテープを発見する。テープでは、若い女性が、友人が自分のせいで亡くなったと告白していた。誰にも言えない秘密を抱えるマイロはさめざめと泣く彼女に深く共感してしまう。何か協力することはできないだろうか。マイロは女性を探し始めるが、それがとてつもない事態に発展し…。「秘密」をめぐる奇妙で愛おしい物語！
著者等紹介
ディックス，マシュー［ディックス，マシュー］ ［Ｄｉｃｋｓ，Ｍａｔｔｈｅｗ］
アメリカ、マサチューセッツ州出身。セント・ジョゼフ・カレッジで教職の学位を取得し、卒業と同時に小学校の教師となる。２００９年に『泥棒は几帳面であるべし』で作家デビューし、教職に就きながらブロガー、結婚パーティーのＤＪ、ミュージカルやコミック・ブックの執筆などさまざまな分野で活躍する（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
116
原題｢Unexpectedly , Milo｣ マイロは突然に理不尽な欲求に駆られ、それをしたいという衝動に抗えないという習性を持つ。例えばジャムの瓶の蓋を次々に開けること。本に付いた値札を外すこと。それは、脳や身体からの強い要求で、しないでおくことは出来ない。その要求群とある日公園で見つけたビデオテープの内容と彼の私生活が、彼を困難に陥らせる。理不尽な変なストーリー。しかし、何となく人々があたたかいのがいい。特にみんなで映画を観るところが最高。だから、終盤の展開は、かえって落ち着かなく感じてしまった。2018/07/06
Kaz
33
読友さんの感想が興味深かったので、借りてみた1冊。風変わりで秘密の習慣を持つ男が、ひょんな事から人探しの旅に出ることに。探し出した人との対話を通して、ありのままの自分をさらけ出すことに目覚めて行く。確かに誰であれ、その人特有の性癖がある。本人としては、たまらなく恥ずかしいのだが、そこはまさにその人の愛すべきところ。それがどんなことであろうと、他人に実害を与えるものでない限り、受け入れてくれる人はきっと居る。2019/03/23
ちゅんさん
25
海外版 伊坂幸太郎と言われてたので期待して読んだ、結果、大満足。 伊坂幸太郎っぽさはあまり感じなかったが会話のユーモアさなどは丁度よくミステリ度はやや低めだがなかなかの秀作だと思う。 こんなに暖かくていい作品の感想を一番目に書くことが出来て光栄です。2018/04/24
sanosano
17
自分は、こういう小説を読みたかったんだなぁと実感しました。変わり者では片付けられないような秘密を抱えた主人公の苦悩と解放を、温かなユーモアで包みながら描いて行きます。色んな仕掛けがあるものの、とにかく心地よく心に響く物語です。ニック・ホーンビィと同じ匂いがします。もっと読みたい。2018/09/17
くさてる
17
自分の人生に秘密を持ったマイロが偶然見つけたビデオテープに録画されていた女性の秘密。妻との関係が破綻する中、マイロは彼女の為に調査を始めるが……と言うお話。いささかいろんな要素が多すぎてとっちらかってる感じがするうえに、そりゃ最初から奥さんに秘密を打ち明けてないマイロが悪いとしか思えない。ただ、その秘密のせいでマイロの感じる焦燥感の描写はとてもリアルで読んでいるこちらも息苦しくなるほど。そんな物語がたどり着いた決着は不思議と明るい。読後感は良かったです。2018/06/14
