創元推理文庫
誘拐されたオルタンス

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  • サイズ 文庫判/ページ数 320p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488188030
  • NDC分類 953
  • Cコード C0197

出版社内容情報

これはミステリなのか? という珍妙な事件とその顛末を書いた前作に続く傑作。哲学を学ぶ魅惑的なオルタンスはポルデヴィア公国の皇子と愛し合い、同じく同国の犯罪者である皇子もオルタンスを愛し……彼女は誘拐される! 一方ブロニャール警部はある殺害事件に挑戦する。さらわれたオルタンスはどうなるのか? 前作で姿を消した高貴な猫アレクサンドル・ウラディミロヴィッチも健在で、やはりこの世界は珍妙極まりない!

ジャック・ルーボー[ジャック・ルーボー]

高橋啓[タカハシケイ]

内容説明

聖ギュデュール教会で発見された遺体!ブロニャール警部は捜査を始めた。別れたはずのモルガン(実はポルデヴィア公国皇子ゴルマンスコイ)とオルタンスは再会し恋が再燃する。しかし、ゴルマンスコイと瓜二つの、もう一人のポルデヴィア皇子クマノロイグスが彼女を誘拐する。危うしオルタンス!行方不明の猫アレクサンドル・ウラディミロヴィッチはどこに?

著者等紹介

ルーボー,ジャック[ルーボー,ジャック] [Roubaud,Jacques]
1932年12月5日生まれ。フランスの詩人、数学者。日本文学にも造詣が深い。囲碁にも親しむ。潜在的文学工房Oulipo(レイモン・クノー、ジョルジュ・ペレック等)の一員

高橋啓[タカハシケイ]
1953年生まれ。早稲田大学文学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

oldman獺祭魚翁

30
ウーン やっぱりフランスのミステリーは合わないのだろうか? 洒落たエスプリが聞いた小説なのだが、いまひとつのめり込めない自分が居た。訳者のあとがきと円城塔氏の解説を読んで、なんとかもう一度読み返してみようかといいう気持ちがわいてきた。2017/03/26

zirou1984

25
前作以上にメッタメタなミステリものと思ったけど、円城塔の解説に目を通してから再読することで景色が変わった。そこにあるのは登場人物以上に主張の強い、数字構成記号たちが生み出す法則性。物語がその筋だけなく、構造や小道具までもが主題足り得てしまっている。本作におけるミステリとは警察が犯人を捜すだけの意味ではない。物語が完結した後、その中に直も潜む無数の仕掛けを読者が見出し、その背後に潜む秩序を暴き立てるまでが謎解きなのだ。これはつまり小説という衣装を纏った抽象絵画。ウリポ!2017/08/26

うえぴー

16
教会での殺害事件がメインで扱われますが、途中で誘拐事件も発生し、最後にはきちっと解決します。しかし、食わせ物なのが、語り口の部分。作者とは何なのか、語っている私は誰なのか等々の問題について、しょっちゅう文中に顔をつっこんではひとり語りをするというメタ構造になっています。これにつまづいて、はじめは読書のスピードが上がりませんでしたが、「この本はメタフィクションなのね」と割り切ってからはスピードアップ。それからは、この癖の強い語り口が病みつきになってしまい、読み終えるのが惜しいくらいでした。2017/03/26

rinakko

12
やっぱりオルタンスいいなぁ…。隅々まで堪能したわ。うおん。心待ちにしていた三部作の第二巻なので、すぐに読むのは勿体ないような…いやいやこれ以上待てぬ…と。サラダ菜を食む蝸牛たち、深夜の三十三点鐘…に始まり、比較赤毛論、オルタンスの螺旋楕円面を描く記憶の痕跡、差し挟まれる著者編集者間の書簡、〈ビール分析〉、謎めく黒猫、美青年がいささか多過ぎる…など、ねぶねぶ反芻していても切りがなくなる。何しろ再読が楽しみになる作品。大好きだ。2017/02/28

不見木 叫

10
ジャック・ルーボーさん初読了。続編らしいが前作は未読。各々の視点がコメディタッチで面白かったです。全体的にメタミステリの雰囲気を感じました2017/05/18

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