感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
55
9作の短編、2作は倒叙作品の洒落た演出のミステリーです。証拠を科学的に調査して推理を展開する科学捜査のはしりですが、実際に実験を繰り返して挿し絵の他に証拠物件の写真や図を載せた、最初の作家といわれます。「ポンティング氏のアリバイ」は、当時としては最新鋭の機械的なアリバイ工作で、後のクリスティの「アクロイド殺人事件」や、ダインの「カナリア殺人事件」の中で形を変えてみられる事からも力量が判ります。いかにも怪しい人物を前面におき犯人を巧みに隠すテクニックは、作者が得意としており「流石フリーマン」と唸ってしまう。2015/09/04
歩月るな
10
『思考機械』とは全く違い名前を表には出さないタイプ、だったが、その筋の新準レギュラーキャラとも言える保険会社の面々に評判が知れて、その手の事件が舞い込むようになってくる。事故か、自殺か、他殺かの三択問題、そこは保険金の支払いが絡む都合上、死因が疑い無い事が求められる問題なので、犯人の追及と言う点では一歩下がる所もある(オチの一行の狡知は英国ユーモラス)が、比較的謙虚なソーンダイクの人格やジャーヴィスの良さも手伝って旨い世界観を作り出している。この手の作家に珍しく長編がまだ沢山訳されているので今後も楽しみ。2018/04/18
tokko
10
「死体入れ替えトリック」なんて、当時はほとんど追求不可能だったんだろうな。今はDNA鑑定やらなんやらで片付けられちゃうんだろうけれど。当人であることの証明(identfy)がいかに難しいかを考えさせられてしまった。2016/09/19
timeturner
8
いやあ、ソーンダイク博士、博学すぎ! 法学、医学以外にどれだけ知識を詰めこんでいるんだろう。それに比べてジャーヴィス、間抜けすぎ! でもまあ、指紋や足型など地味な仕事を真面目にやるところは偉い。ポルトンの出番が少なかったのは残念。2021/06/05
ホームズ
6
基本的にパターンは同じような感じですね(笑)そこに至るまでの推理はもちろん色々ですがね(笑)『パーシヴァル・ブランドの替玉』『消えた金融業者』『フィリス・アネズリーの受難』あたりが面白かったですね(笑)2009/03/27
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- 和書
- 「近江源氏」物語