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創元推理文庫
ライノクス殺人事件

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  • サイズ 文庫判/ページ数 254p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488171049
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

ライノクスの社長フランシス・サヴィアー・ベネディック、通称F・X。会った者はたいてい彼のことを一目で好きになる。ごく僅かな例外を除いては。唯一の“例外”たるマーシュは、彼に積年の恨みを抱いているという。それが高じてか、コテージを訪れた郵便配達夫に悪態をつき、駅や劇場でも奇行を重ねるなど暴走寸前。たまりかねて面談を約した夜、F・Xの自宅で時ならぬ銃声が―。

著者等紹介

霜島義明[シモジマヨシアキ]
1958年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

セウテス

79
〔再読〕先に物語の結末が語られ、さかのぼって物語がスタートするという手法がとられている。1930年のミステリ黄金期の事で、様々な手法を研究し、後の作品に多大な影響を与えた作家らしい。前半はミステリで後半はコンゲームと、展開も工夫されており スピード感も良い。犯人探しの謎は何作品かで使われているので、現在となっては気づく読者も多いだろうが、こればかりは仕方がない。ある意味ミステリは、積み重ねの文学だと思う。先人の技術を、改良していくのに似ている。推理するにも父子の信頼を強く感じる、気持ちのいい終幕だと思う。2022/03/23

geshi

29
現代では使い古された結末から始まり発端で終わる黄金期ミステリ。さすがに時代がかっているから、騙しの手さばきが大仰であからさまに映ってしまう。それでも、第三部でジェイムズ船長にどうやって反逆するのかのトリックが決まり、真相披露まで楽しさは保っている。アンソニーが父親に似てきたという描写が何度も繰り返されている事が、ちゃんと伏線として繋がっている点はお見事。250頁弱の短さに見合った軽妙さで、洒脱な雰囲気を崩さず気持ちのいい終わり方をしてくれる。2018/08/27

紅はこべ

12
本格というか変格というか。被害者の息子とその婚約者の行動が楽しい。2008/03/30

カーゾン

7
M:六興出版部版を小学生の時分に1度だけ古本屋で見かけた時に入手出来ず(子供の小遣いでは無理)創元で出てから読了。すれっからしになっていたので多分こうではないかと予想つけたらその通りでした。当時色々トライしていた作家なのでその気概は素晴らしいと思います。2011/04/02

やっす

5
なるほど。物語冒頭に奇妙な出来事を描く『結末』を配し、ラストの『発端』で全てに説明をつけるという構成ですが、なかなか決まってますね。気づく人はすぐに気づくオチなんだろうけど、自分は最後に『発端』を読んで、あぁ!なるほど!!ってなった幸せな読者の一人でした。(笑)作中で垣間見える父と息子の信頼関係なんかにも結構ほっこりさせられたりして、短いながらもすっきりとして味わい深い佳作だと思います。2014/02/25

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