感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ホームズ
18
『この世の外から』が読みたくなったので再読。ロースンの作品は好きなんだけどあんまりまとまって読めないのが残念。長編もほとんど絶版だし。全体的に飛び抜けて面白い作品は無かった。『影』『決断の時』『抜く手も見せず』辺りが良かったかな~。2013/05/05
Masa
8
読了。ギャレットのような作品を期待して手に取ったわけですが、メインは「奇術」でした。その点はちょっとがっかり。どろどろと渦巻くような感覚で読了する作品が多く、そのあたりは、「魔術ミステリ」といっても良いのか、という感想。ディクスンやアイリッシュは相変わらずのうまさで脱帽でしたが、なによりこの本の妙は作品の順番かなと思います。後半に進むにつれてぐいぐい惹き込まれていく仕掛けになっています。読んで後悔はしていませんが、大満足とはならなかった1冊でした。2017/10/11
ホームズ
4
クレイトン・ロースンの『この世の外から』が読みたくって購入。一番最初に読んでしまってあとは惰性かな(笑)カーの『新透明人間』以外は初めて読みましたがどれもそれほどビックリするようなものではなかった。とりあえず『気ちがい魔術師』『影』が面白かったかな~(笑)2009/11/17
aki
3
超久しぶりに再読。魔術を題材としているのでトリッキーな作品が多いかと思いきや、正統派作品以上に鋭く人間心理に切り込んでいる作品が目につく。特にオススメしたいのは日本では無名だがベン・ヘクトの「影」。なんというか、ポーの「ウイリアム・ウイルソン」とクリストファー・プリーストの『魔法』がないまぜになったような雰囲気。この両作に劣らない傑作短編だ。むせ返るような「愛」がすごい。江戸川乱歩や谷崎潤一郎に好まれそう。2015/05/24
ウイロウ
3
解説にもある通り、マジックとミステリというのはもともと似た者同士である(前者には原則として種明かしがないわけだが)。本書には、それを象徴するような奇術趣味あふれる本格物から、オカルティックなファンタジー/ホラー寄りの作品まで、バラエティに富んだ十三の短篇が収められている。それこそマジックの種明かしさながらの驚きを期待して読んだが、全体的にトリックは食い足りない感じがした。むしろ、論理的な解決のない作品の方が面白い。ドイツロマン派を彷彿とさせる幻想譚「影」と、リドルストーリーの「決断の時」が特に印象的。2012/04/23