内容説明
巨匠マクベインの呼びかけに応え、名だたる人気作家が一堂に会した書き下ろしアンソロジー。広義のミステリを書くこと以外は制約を受けず、各人が腕をふるった成果。本巻には、数学者刑事が活訳するディーヴァー渾身の雄編「永遠」を筆頭に、キングが語る9・11秘話「彼らが残したもの」、オーツ、モズリイ、ペリーらの力作中編、全5編を収録。
著者等紹介
白石朗[シライシロウ]
翻訳家。1959年生まれ。早稲田大学第一文学部卒
田口俊樹[タグチトシキ]
英米文学翻訳家。1950年生まれ。早稲田大学文学部卒
圷香織[アクツカオリ]
上智大学国文学科卒。雑誌編集者を経て、翻訳の仕事に携わる
土屋晃[ツチヤアキラ]
翻訳家。1959年生まれ。慶応義塾大学文学部卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くさてる
12
アンソロジー。お目当てだったキングもオーツも既読だったけれど、どちらも名作なので改めて読み直して溜息。ディーヴァ―は確かに面白いんだけど、どんでん返しと盛り盛りの設定に、モズリイは先の読め無さに、どちらも読んでいて、ちょっと息切れしてしまいました。しかし、アイルランド紛争がテーマになっているペリーは、女性心理の描写が見事でサスペンスな展開と合わせて一気に読めました。面白かったです。2015/06/13
井戸端アンジェリか
11
十の罪があるわけね、どれどれ読始。五つしかなくてやっと気づきましたよ2冊組らしいと。ふん、ブラックとかレッドとか紛らわしいんじゃ。 さすがのディーヴァー先生、面白かった。でもそろそろ大体こうくるなってのが見えるようになったから、さあこの先どう楽しみましょうかしらん。一番好きだと思ったのはキング大先生作の911の話。あの事がどうこうは抜きにして考えても、スカートをしっかり押さえて飛んだサングラスの持ち主にちょっと泣きたくなった。ところで、あと残りの罪となる悪い行い五つはどうしましょうか、いいか読まなくても。2017/06/10
kenitirokikuti
10
オーツの“The Corn Maiden”を河出書房新社版の翻訳で知ったのだが、読みづらかったのでこちらの東京創元社版を手にした。エド・マクベイン編のお題自由の中編ミステリアンソロジー。「トウモロコシの乙女」と訳すとメルヘンだが、意訳すると「インディアンの呪いのわら人形」である/イキりないじめっ子が金髪(=わら色の髪)の知恵遅れの子を黒魔術的な生贄にしようと拉致監禁のうえ餓死させようとする。街では幼女誘拐事件として騒ぎになり、臨時教員の男性が誤認逮捕される。いじめっ子はイキりすぎて焼身自殺する。つらい2018/07/31
KAZOO
10
REDに比べるとより好みの作家が入っています。ジェフリー・ディーヴァー、スティーヴン・キング、ウォルター・モズリイなど今まで読んだことのない作品です。ディーヴァーは最近のものと少し傾向が違う感じがして新鮮に感じました。この「十の罪業」は読み得でした。2014/03/16
bapaksejahtera
7
”RED”の5篇と合わせて10の中編からなる。このうちジェフリー・ディーヴァーの「永遠」は、数学者から刑事になったという主人公。意識のクローンを作り人格を永遠に継承させようという狂気の科学者登場の怪奇物。この中ではBest。次いでスティーヴン・キング「彼らが残したもの」。9.11で亡くなった会社の同僚の遺品が突然出現する物語。成仏でEndとなる。ジェフリー・ディーヴァー「永遠」、ジョイス・キャロル・オーツ「玉蜀黍の乙女」は少女の狂気を扱う。後のウォルター・モズリイとアン・ペリーの2作はピンとこなかった。2021/06/06