感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Cinejazz
9
毒薬にまつわるミステリを集めた12編のアンソロジ-です。アントニ-・ウィン作の『キプロスの蜂』は<アナフラシ-ショック>と<アレルギー性ショック>による毒殺を扱っていますが、今日のコロナ・ワクチン接種のリスクに通じる意味深な読後感が残る作品です。お気に入りは、D.L.セイヤ-ズの『疑惑』、A.バ-クリ-の『偶然の審判』、A.クリスティの『事故』、殊にM.A.デフォ-ドの『夾竹桃』は、味わい深い余韻を残す作品でありました。2021/02/08
ハル
9
良いアンソロジーでした! この手のアンソロジーには「読む前から殺害方法がネタバレしている」という大きな問題点がある(笑) それにも関わらず面白いのは、「毒殺」と一口に言ってもこれだけの種類、ストーリー展開があるのだな、と思わされるほどレベルの高い作品ばかりだから。 海外ミステリにうとい私には初見の作家さんばかりで、読んでみたい作家さんが一気に増えてしまいました。2013/11/07
mintjam_
5
ミステリー読書会の「毒入りチョコレート事件」の回で、元になった短編として紹介された「偶然の審判」を読んだ。確かに短編のほうが展開にキレがある。2019/08/28
マーブル
5
ミステリを分類してみると、 誰が何故その犯罪を犯したか、で犯人と被害者の関係を。 いつ何処で犯したか、でアリバイに関する事を。 何をどう使って行うか、で犯罪の方法を。 これらを読者の前でヒラヒラさせながら、袖口の中に隠したり、視線を外させたりし頃合いを見て、目の前に出現させる。 でもここではその一つはもう決まっているのだから不利では? 毒薬が来るぞと身構えてしまう。後は犯人や動機と言った別の部分で意外性を出すのだが、短編のため紙面は限られている。 が、それは杞憂に過ぎなかった。2017/03/14
simasima
3
『偶然の審判』は、本当によくできていると思った。お薦めです!2021/04/07