出版社内容情報
カリブの島国に流れついたスターク青年は、死んだ通信社の記者が遺した手がかりを追いかけるうち、さらなる死体と遭遇する──マクロイが創造した二大探偵が共演する異色の快作。
内容説明
カリブ海の島国サンタ・テレサで、オクシデンタル通信社の記者として働くこととなったフィリップ・スターク。前任者の死をめぐる不審な状況を調べ始めた彼は、死者が残した手がかり―謎の言葉“小鬼の市”―を追いかけるうち、さらなる死体と遭遇する…。第二次大戦下の中米を舞台に、『ひとりで歩く女』のウリサール警部とウィリング博士、二大探偵が共演する異色の快作。
著者等紹介
駒月雅子[コマツキマサコ]
1962年生まれ。慶應義塾大学文学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
92
【ウィリング博士】シリーズ第6弾。第2次世界大戦下の島国サンタ・テレサを舞台に、異国の男スタークが記者変死事件の謎を追う物語。謎だらけの主人公、変死した記者の暗号化されたアドレス、残されたメモにある小鬼の市とは何か、緊張感の続く展開は読む手を速くする。しかしシリーズを読んで来た読者には、本格ミステリからサスペンスへの変更は驚きである。終盤、論理的な犯人の特定でシリーズらしさを感じる事が出来たが、作品の大きな仕掛けはバレバレである。シリーズ外伝などにして、読ませ方を工夫すれば衝撃がかなり増したのではないか。2020/03/04
みっぴー
52
これはちょっと合わなかったです。したがって、あまりおすすめはできません。ヘレン・マクロイの持ち味が少しも出ていなくて、退屈と言っていいほど興味が持てない作品でした。タイトルの小鬼の市(ゴブリンマーケット)は、路地で死亡した記者の残したフレーズで、実在の童話からの引用みたいです。なんというか、私がマクロイに期待するのは、こういうのじゃないんだよぅ…と思ってたら、同じように感じてらっしゃるレビューばかりで安心しました。次に期待。2017/02/21
星落秋風五丈原
44
ウィリング博士どこ?と思ったら…解説にも書いてありましたが本当にヒッチコックの巻き込まれ形サスペンスみたい。絶対怪しいって思ってました。ウィリング博士の心理分析を活用する場面はなかったな。2017/01/06
あたびー
31
WWIIの最中のカリブ海の島国サンタテレサ。1文無しの男スタークは、死亡した新聞紙局長ハロランの後任の職を得る。ハロランの死は事故か他殺か?ハロランが本社に送ろうとしていた文書の謎は?同業者ミッチが聞いたハロランの言葉「ゴブリン・マーケット」とは?戦争物もスパイ物も苦手なので苦労しました。精神医学者ウィリング博士はちーとも出てこないと思ったら…2025/01/03
ホームズ
29
第二次世界大戦中の島国を舞台にしていて少し今までの作品とは雰囲気が違う感じがした。殺害された前任者や暗号など面白い謎が良かった(笑)しかし正直な所は戦争とかスパイとかあまりそういった感じの話は微妙。もっと犯罪の動機は個人的な感じの方が好きかな~。2大探偵共演というのはネタバレでは?(笑)2013/03/20