創元推理文庫
骨董屋探偵の事件簿

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 333p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488165031
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

絶世の美女を伴い犯行現場に赴けば、事件の真相が手に取るように判る。怪しい骨董屋モリス・クロウの人となりに魅せられた語り手が綴った十編。クラシックファン待望の完訳成る。

内容説明

メンジーズ博物館の怪事件で顔を合わせて以来、わたしはモリス・クロウの捜査手法をつぶさに見てきた。事件は彼の持論をなぞるように起こり、また現場から犯罪の意図を読み取る術に長けているがゆえに、クロウは捜査官の手に余る難件をもたちどころに解決する。そのおかげでグリムズビー警部補は出世街道まっしぐら、今日もクロウへの橋渡しを頼みにわたしを訪ねてきたが…。

著者等紹介

近藤麻里子[コンドウマリコ]
1961年宮城県生まれ。東京外国語大学卒業。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

49
ミステリに分類されているのだが、探偵の捜査方法が奇矯な事や必要な情報が最後まで明示されていないので、実際に読者が犯人を当てるのは不可能に近い。扱われている材料が幽霊やミイラといったオカルト寄りのものだけに実に惜しい。ただミステリの範疇から完全にはみ出している最終話「イシスのヴェール」が一番いい出来なので、全ての話をこっちの方向に持って行ったならジョン・サイレンスやカーナッキーに匹敵する作品集が出来たんじゃなかろうか。「イシスのヴェール」「頭のないミイラ」等オカルトを主題にした作品に面白いのが多かったし。2013/06/05

藤月はな(灯れ松明の火)

35
物の近くで愛用のクッションで寝ることでその物の記憶を読み取り、死の匂いに対してはバーベナの香水を振りまいて厄落としをする謎多き骨董屋、モリス・クロウとその娘で助手を務め、オリエンタルな神秘的美貌を持つイシス。ラストの一文では『ト短調の和音』が好きです。2013/08/24

けいちゃっぷ

10
名前だけは知っていたフー・マンチューの生みの親でもあったのですね。 どれも出だしはオカルト的だが、結末は現実的であり人間が関わった事件である。 当時としてはこれが精一杯だったかも。 残留思念を探る主人公のモリス・クロウの捜査方法以外に不思議なことはなにもないのだが、一番の不思議は主人公の娘イシスで、掃き溜めに鶴のような超美貌かつ浮世離れしているが、今も昔も美人を出せば読者が喜ぶということか。 まあ、ミステリとしてはどれも弱いかなあ。 333ページ 2017/01/21

なつき

9
読みきるのに少々梃子摺りました。サイコメトリ系能力者の骨董屋モリス・クロウとその美しき娘イシス。事件現場の空気を脳に念写することで被害者・加害者の思念を読み取るクロウが事件を解決に導く。オカルト系だが犯人は人ならざるものではない。一番の謎はクロウの娘がなんでそんなに美人なのかということですが。波津彬子さんの絵でイメージされました。2013/10/15

Brooklyn0320

8
コナン・ドイルの商業的成功にあやかって名探偵が競うように生み出された時代の作品。ホームズを模倣してか、この時代の探偵は強烈な個性の持ち主が多いですが、この作品の主人公であるモリス・クロウもかなりのもの。「犯罪の周期性」を主張する頭脳明晰な老人の捜査手法は、事件現場で眠ることで残留思念と交感するサイコメトリー。加えて、貧民街で骨董店を営んでいるはずなのに、助手を務める令嬢・イシスはゴージャス美女というよく分からない設定。最初はあまりの胡散臭さに閉口しましたが、途中からは慣れもあってか、案外楽しめました。2014/09/29

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/6705540
  • ご注意事項

最近チェックした商品