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創元推理文庫
ハマースミスのうじ虫

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  • サイズ 文庫判/ページ数 333p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488161026
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

風変わりな趣味の主キャソン・デューカーは、ある夜の見聞をきっかけに謎の男バゴットを追い始める。変装としか思えない眼鏡と髪型を除けばおよそ特徴に欠けるその男を、ロンドンの人波から捜し出す手掛かりはたった一つ。容疑者の絞り込み、特定、そして接近と駒を進めるキャソンの行く手に不測の事態が立ちはだかって…。全編に漲る緊迫感と深い余韻で名を馴せた、伝説の逸品。

著者等紹介

霜島義明[シモジマヨシアキ]
1958年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

40
題名通り、偽名を使い、気弱な人間にあることないことをでっち上げた上で金銭を脅し取り、狡猾に死に追いやった脅迫者。卑劣な脅迫者を法的に裁くために仕掛けたのはその脅迫者の手口をも凌駕する脅迫方法だった・・・・。犯人の薄っぺらい自尊心故の薄汚さが嫌悪感を誘う前半に対し、復讐方法がその犯人と同位置に陥る方法を使っているのが後味の悪さを更に助長しています。2013/08/09

geshi

30
手掛かりのほとんどない無個性な恐喝者を特定し追い詰めていくマンハント小説。心理戦のサスペンスはあるが、イギリスの狐狩りに見られる高等遊民の余興といった雰囲気が底流に終始漂う。失敗を繰り返しながらも徐々に犯人に迫っていく追う者・精神的にやられていく追われる者、対比している二人が似通った所が多いのが危うく見える。とった手段は最悪とは言え恐喝者に同情を禁じ得ないし、キャソンも手法としてほぼ変わりないじゃないかと思ってしまう。最後の一文で何とかバランスとれた感じ。2020/01/03

みっぴー

30
このミステリはエリザベス女王のお気に入りらしいです。素人探偵が自らの好奇心を満足させるために恐喝犯を絞首台に送るという、エゴ満載の一冊。経済的にも社会的地位にも恵まれた独身貴族の暇潰しとしか思えませんでした。とるに足らない盗人をありとあらゆる手段を用いて心理的にネチネチ追い詰めていく描写がやけに生々しく、読後感はよろしくないです。唯一共感したのは、主人公を「可哀想な人」と言い放った女傑。趣味は人に迷惑をかけない範囲で楽しむものだと改めて認識しました。2015/12/22

紅はこべ

26
好むスポーツも階級によって違うという英国特有の階級社会でしか生まれ得ない、俗物的名誉を重んじる、恐喝を生業とする犯人。探偵役のキャソンが犯人が追い求めるもの全てを兼ね備えているのが皮肉。とにかく犯人は自己顕示欲が強い。物証がないんだから、あくまでも否定すれば、警察も釈放せざるを得なかったのでは?そんな犯人の弱点につけ込むのが、キャソンの悪魔的知恵?ラスト2行がこの作品のとどめの一撃。この2行で、本作はメタミステリになったのかも。2009/10/08

M H

25
「夜明けの睡魔」で言及されているらしい作品。卑劣な恐喝者を追い詰めていくじっくり加減がなかなか。キャソンは犯人より余裕で怖いし、特異なパーソナリティーの持ち主じゃないか。面白いけど異様。作者の経歴を丁寧に読み解いた解説が良かった。2020/04/04

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