出版社内容情報
「母さんが誘拐された」ミュンヘン市警の捜査官ザビーネは、父から知 らせを受ける。母親は見つかった。大聖堂で、パイプオルガンの脚にくくりつけられて。遺体の脇にはインクの缶。口にはホース、その先には漏斗が。処刑か、なにかの見立てか。ザビーネは連邦刑事局の腕利き変人分析官と共に犯人を追う。そして浮かび上がったのは、別々の都市で奇妙な殺され方をした女性たちの事件だった。『夏を殺す少女』の著者が童謡殺人に挑む。
内容説明
母が誘拐され殺された。遺体は大聖堂のパイプオルガンの演奏台にくくりつけられ、脇にはインクのバケツ。口にはホース、その先には漏斗が。容疑者にされた父の疑いを晴らすべく、ミュンヘン市警の捜査官ザビーネは腕利き変人分析官と犯人を追う。浮かんできたのは、別々の都市の聖堂で、同様に奇妙な殺され方をした女性たちの事件だった。『夏を殺す少女』の著者が童謡殺人に挑む。
著者等紹介
グルーバー,アンドレアス[グルーバー,アンドレアス] [Gruber,Andreas]
1968年ウィーン生まれ。90年代半ばに作家デビューしてから短編作家として鳴らし、ドイツ幻想文学賞短編部門、ヴィンセント賞短編部門など、ドイツ語圏の文学賞の短編部門で何度も受賞し、ノミネート作品も多い。2005年から長編を書きだし、ミステリ作家としての地歩を築いている
酒寄進一[サカヨリシンイチ]
ドイツ文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
122
この作者のものは、3作目です。オーストリア、ドイツを中心に舞台が設定されています。女性刑事の母親が殺され、離婚した父親が逮捕されます。そこから話はすすんでいきますがこの殺人犯の殺す方法が、童話の「もじゃもじゃペ-ター」のはなしをなぞるような殺し方をしていきます。主人公の相棒となる人物が警察にいる割にはハチャメチャな感じですが結果をきちんとしていくので楽しめます。2018/06/04
HANA
64
読友さん推薦本。面白くて一気読み。見立て殺人がテーマなのだが、見立て殺人というのは犯行時の意匠に凝ってナンボだと思う。その点本作は元ネタの『もじゃもじゃペーター』が、ナンセンスな残酷さを孕んでいるせいもあって冒頭から最高、その後もエグい見立てが続く。また見立て殺人に目を奪われがちだが、主人公二人が別の視点から真相に迫っていくという著者お馴染の構成、カウンセリングを通じて徐々に明らかになっていく犯人の過去等、小説としても目の離せない出来となっている。終盤の緊迫感とかもうね。久々の見立て殺人に満足満足でした。2017/08/26
のぶ
62
ドイツのミステリーの一つの定型の小説で、暗く猟奇的な話だが、とても読ませる一冊だった。警察官の母が誘拐され、教会で見立て殺人風の遺体で見つかる。見立ての作品はドイツの童謡で馴染みがないので、この作品を深く読み解けない部分もあると思うが、それはあまり考えなくても十分に楽しめる。主役の警察官始め、登場人物の設定にかなり特異なものがあり、違和感を覚えるが、冒頭に定型と書いたのは、その辺が最近のドイツミステリーの特徴なのか?本作ではセラピストが重要な役割を果たしているのが、目新しかったように感じた。2016/05/28
GAKU
58
「夏を殺す少女」に続きこちらの作者さんは2作目。ミュンヘン市警の捜査官ザビーネの母親が誘拐され惨殺。ザビーネは連邦刑事局の腕利き変人分析官スナイデル共に犯人を追う。そして浮かび上がった別の都市で猟奇的な殺され方をした女性達。これらの事件に関連はあるのか?このスナイデルという人物が何とも個性的。ザビーネとスナイデルのシーン。心理カウンセラーとクライアントのシーン。もう一人の心理カウンセラーのシーン。3つのシーンが徐々に真相に迫って行くにつれ、どんどん物語に引きこまれてしまった。⇒2016/07/22
papako
55
作者2冊目。はらはらした!母を殺されたドイツの女機動捜査官ザビーネと事件分析官(プロファイラー)のスナイデルが絵本になぞらえた見立て殺人を捜査、犯人に迫る。見立て殺人の内容が悲惨。巻き込まれたヘレンと捜査官二人の場面がやがて交わり犯人に迫るも、裏をかく犯人。ヘレンに危機が!なかなか楽しめました。悲惨な子供時代を過ごした犯人の心情は悲しく、彼の心を引き裂いたローゼは許せない。そして本筋よりも、不倫相手にできた子供を殺すヘレンの夫が恐ろしい。シリーズらしいので、続くの楽しみです。2016/06/23




