出版社内容情報
エリザベス・フェラーズ[エリザベスフェラーズ]
著・文・その他
中村有希[ナカムラユキ]
翻訳
内容説明
イギリス南部ののどかな自然に囲まれた村、イースト・リート。トビーとジョージは、このロンドンから遠く離れた片田舎に誘拐事件を解決するためにはるばるやってきたのだが、そこでふたりを待ち受けていたのは前代未聞の珍事件、なんと、チンパンジーの誘拐殺害事件だった!イギリス・ミステリ界で半世紀にわたって活躍してきた重鎮エリザベス・フェラーズの傑作本格ミステリ。
著者等紹介
フェラーズ,エリザベス[フェラーズ,エリザベス] [Ferrars,Elizabeth]
1907年、ビルマ(現在のミャンマー)生まれ。本名はモーナ・ドリス・マクタガード。イギリス本国に戻って教育を受け、30年代にモーナ・マクタガート名義で普通小説を二作出版。40年、“トビー&ジョージ”シリーズ第一作『その死者の名は』を書き、ミステリ作家としてデビュー。以後半世紀以上にわたり、イギリス・ミステリ界の重鎮として活躍しつづけた。英国推理作家協会(CWA)創設時からのメンバーであり、77年には会長に就任している
中村有希[ナカムラユキ]
1968年生まれ。1990年東京外国語大学卒。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
70
犯罪ジャーナリストのトビーと助手のジョージ。二人の元に連続誘拐を阻止してほしいとの依頼が舞い込む。ただ遭遇したのは殺し。殺されたものは遺産、嫉妬、保険金と動機のオンパレードが。ただ殺されたのは一匹のチンパンジーであった。殺されたのが猿ということで読み始めは余り緊迫感を感じれられなかったものの、二転三転する事件にすぐに引き込まれてしまう。猿の殺された原因については、そういう事かと思わず膝を打ってしまった。この手のには慣れてるつもりだけど、それを隠すのが上手いなあ。探偵の役割が逆転している部分も珍しく読めた。2019/03/12
雪紫
52
アーマ(♀)とレオフリック(♂)、2匹のチンパンジーが誘拐され、そのたび戻って来る珍事は、おわりを迎えた。何故なら、アーマが刺殺されたからだ・・・。巡査ですら気の抜けた感じながらなかなかの本格とホワイダニット。何故考えなかったんだろうな、それを~。ローザ・マイアル老婦人の存在感があまり出番がないと冒頭で言われてるのになかなか強烈。すべてが終わった後読み返してああ、となるのもご愛敬。2021/01/25
geshi
30
黄金期ミステリをおちょくったような謎と地に足のついた推理の挑戦的な作品。ユーモラスなトビーとジョージの掛け合いから、膝カックンのチンパンジー誘拐殺害事件までの導入の掴みはOK。なのに中盤はストーリーの推進力を失い、ジョージの影が薄くなってしまって凸凹コンビが活かせていないのが残念。ガードの下がった読者の足元を掬うトリックと丁寧な伏線に裏打ちされた正攻法な謎解きは見事な手腕。探偵と助手が逆転していながらも役割分担がキッチリしてるのが面白い。2018/05/18
ハル
14
犯罪ジャーナリストのトビーと、その友人ジョージが難事件を解決していく探偵もの…かと思いながら読んでいたのに、まさかトビーがひたすら間違い続けるワトソン君みたいなキャラで、ジョージがホームズだとはね…予想外でした(*_*) 「チンパンジーの誘拐殺人事件」というへっぽこな事件なのに、徐々に解き明かされていく事件の謎。この本格推理は見事でした。 でも、登場人物がみんな異常でなんだかよくわからなかった…訳の問題かも。2014/12/19
Cinejazz
13
評判の高さには半信半疑でしたが、読み終わって思わず膝を打ちました。 お猿が何者かに殺害されますが、地元警察はまともに取り合わず、支離滅裂な関係者の振舞いで、混迷の度は深まるばかり。上手く収束するのかと思いしや、終盤に見事な逆転劇が待っていました。傑作の名に恥じない本作に、惜しみない賛辞を贈ります。2018/06/01
-
- 電子書籍
- 脱獄ごっこ(4) てんとう虫コミックス