創元推理文庫
愚者たちの棺

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  • サイズ 文庫判/ページ数 283p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488155032
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

ロンドン近郊の小さな港町フラックスボローの名士、新聞社社主グウィル氏が十二月のある夜感電死する。電柱の下で発見された遺体はスリッパ履きのうえ、現場付近では“幽霊”の目撃証言も飛び出していた。この不可解な変死事件を捜査するのは、地元署の温和なパーブライト警部。奇妙な謎と周到な伏線、曲者ぞろいの登場人物、機知に富む会話……英国本格ミステリの粋が凝縮された、知られざる巧手ワトスンの第一長編にして代表作。

内容説明

港町フラックスボローの顔役だったキャロブリート氏のつましい葬儀から七ヶ月後。今度は参列者のひとり、新聞社社主のグウィルが感電死する。真冬に送電鉄塔の下で発見された遺体には不可解な点がいくつもあり、現場近くでは“幽霊”の目撃証言まで飛び出す始末。相次ぐ町の名士の死には関連があるのか。奇妙な謎と伏線の妙…英国本格ミステリの粋が凝縮された巧手の第一長編。

著者等紹介

ワトスン,コリン[ワトスン,コリン] [Watson,Colin]
1920年、イギリスのサリー州に生まれる。ジャーナリストとしてロンドンなどで働いたのち、58年に『愚者たちの棺』でミステリ作家としてデビユー。同書は架空の町フラックスボローを舞台に、地元署のウォルター・パーブライト警部が謎を解くシリーズの第1作で、全12作が刊行された。そのうち2作が英国推理作家協会(CWA)ゴールドダガー賞の最終候補(シルバーダガーに相当)になったほか、4作が70年代にMurder Most Englishの題名でBBCでテレビドラマ化されるなど、高く評価された。1983年没

直良和美[ナオラカズミ]
東京生まれ。お茶の水女子大学理学部卒業。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

星落秋風五丈原

51
読んでみるといやーほんとに愚者ばっかりでした。柩は比喩的な意味ではなかったですね。「おれはバープライトって男をよく知っている。ものすごく冴えているわけじゃないが、ちょっとやそっとじゃ諦めない。うっとうしいのなんのって。でもって、やたらと下手に出てちくちく責め立てる。」なんて描写だとコロンボっぽいけどそこまでの俗っぽさ、しつこさはないんだよね。2016/04/25

空猫

37
【海外ミステリマストリード51/100】重罪事件など起こった事のない(架空の)港町で、顔役だった紳士の葬儀から7か月後に、その友人(?)だった新聞社社長が感電死した。不可解な点が多く殺人事件として捜査が始まる…。解説に「きわめて英国的な殺人」とある。まったくその通りで、おいらはやはりそのノリに最後まで乗れなかった。ミステリとしては面白いのだがこれは主人公のパーブライト刑事以下キャラの魅力がイマイチなせいだろうか?シリーズ化しているらしいがどうなんでしょ?2022/10/11

本木英朗

36
英国の本格ミステリ作家のひとりであるコリン・ワトスンの長編第1作目である。俺はもちろん、今回が初めてだ。皆地町ブラックスボローの顔役だったキャロブリート氏のつましい葬儀から7か月後、今度は参列者のひとり、新聞社主のグヴィルが感電死する。真冬に送電鉄塔の下で発見された遺体には不可解な点がいくつもあり、現場近くでは幽霊の目撃証言まで飛び出す始末!という話だ。これはもう、読むしかないって。さすが作者である。ちなみにD・M・ディヴァインと同時代に活躍しており、今後も2作目以降が日本でも楽しめそうだ。ウフフ!2021/05/10

geshi

29
始めに鉄塔の下で見つかった感電死体持ってきて掴みはOKなのだが、町の名士たちの黒い部分が掘り起こされていく中盤は淡々と刑事の捜査を見ていくのみで盛り上がりに欠ける。刑事達のキャラクターとイギリスらしいユーモアでスルスル読め、犯罪者側の視点の場面があったり、尾行で犯罪行為に辿り着いたりして、本格ミステリとして着地するのか危惧していた。よくあるトリックだがサプライズとカタルシスは想像以上。最大の証拠である証言をスルーさせる盲点となる置き所が上手いな。2016/09/01

Betty

28
50年代の英国本格ミステリ。雰囲気のある作品ではあるけど、少し退屈してしまった。登場人物には好感がもてるし捜査の課程や尾行なども大好物だっただけに記憶から消えてしまいそうな読後感は残念。この作品シリーズらしいので、また出会えたら手に取ってみます。2016/09/17

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