創元推理文庫
亡国の薔薇〈下〉―英国式犯罪解剖学

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  • サイズ 文庫判/ページ数 322p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488149109
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

解剖学者と提督夫人が挑む、大英帝国を揺るがす絢爛豪華な謎。孤独な占い師と浮浪児が巻き込まれた奇妙な事件。ふたつの事件が結びつく先は――。破格の歴史ミステリ登場!

内容説明

海軍の英雄ウェスターマン提督は、事故で頭部を強打し、別人のようになって、戦いの航海から帰還した。その妻ハリエットは、事故の前に提督が“売国奴”という言葉を発していたことを知る―。絢爛豪華に謎を彩る、パリの歌姫、イタリアから来たカストラート、怪しげな貴族…。歴史ミステリ史上最強の探偵コンビ、厭世家の解剖学者と才気煥発な提督夫人が織なす、物語の愉悦!

著者等紹介

茂木健[モギタケシ]
1959年生まれ。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Hugo Grove

17
久しぶりに本を読んで泣いた。涙がボロボロ落ちた。それだけこの作品に感情移入していたのだろう。話は複雑に絡み合って最終にむかって一本の大筋に編み込まれていくそのテンポの良さにページをめくる手をとめられなくなった。この作品の前に一作あるのだがそれも読みたくなった。もちろんこの作品のも再読するだろう。2013/10/24

ぽんすけ

15
ん~なんともやるせない読後感だったな。無力感というか。でも現実ってそうだよねって納得はできた。マンゼロッティのことは嫌いになはれなかった。彼は超重要人物だけど本編ではさほど登場してこない。にも拘らず存在感がすごいのは彼が世界に対して持ってる怒りを感じるからかな。カストラートという歪ではあるのに神が与えたかのような歌声を持つ存在。それが何故自分だったのかヨハネスではないのか。飄々と世界を見ているようで世界の理不尽さ、押し付けられた世界に対し全てをかき回して混乱の極致に叩き落してやろうという意志を感じた。2024/10/09

鐵太郎

11
ふたつの、ぜんぜん関係のないように思えた素人犯罪調査が、さまざまな悲劇を招きながら国家を揺るがす陰謀の中で合流します。なんと。この国家陰謀に関して帆船ヲタ及び歴史マニアとしてはちょっと突っ込みたくなるけど、そこはいいか。ハリエットの夫ジェイムズ・ウェスターマンや、ハリエットたちが出会った人たちに起きる悲劇が、物語をクライマックスに押し上げます。道いっぱいに敷き詰められた黄色いバラに涙が出そうになりました。この物語に次があるとしたら、ぜひ読みたい。2014/08/23

Yoko

10
ハリエット&クラウザーの捜査のパートと占い師ジョカスタが辿る真実への道のりのパートが交互に語られ、同時にそれは華やかだが見栄と虚栄にまみれた貴族の暮らしと貧しいながらも力強い庶民の暮らしとを対比させるものでした。後半、その二者のパートがそれぞれ次第に短くなりスピード感が増し、さらに鮮やかに交差する演出は素晴らしく、物語に大きく関わる歌劇があたかも常時バックに流れクレッシェンドされているような心地でした。今作、ハリエットに大きな苦難が訪れますが、必要な時は常に寄り添い心の支えとなるクラウザーが印象的でした。2014/06/23

ののまる

8
久しぶりにのめり込んで読んだし、要所要所でウルっときた。登場人物はみんな好きだけれど、今回は特に貧民街の人々が好きだ。人生はおかまいなしに続くけど、人間もたくましい。だけど底流には人への愛が流れてる。次はきっとクラウザーの過去の事件だな。楽しみ!絶対読む。2014/02/14

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