出版社内容情報
妻を亡くした衝撃からアルコール依存症になり入院中のピーターは、退院すべくリハビリがてら事件の真相究明に当たるが……。クェンティンの真骨頂、〈パズル〉シリーズ第1作。
内容説明
アルコール依存症の治療もそろそろ終盤という頃、妙な声を聞いて恐慌をきたしたピーター。だが幻聴ではなく療養所内で続いている変事の一端とわかった。所長は言う―ここの評判にも関わる、患者同士なら話しやすいだろうから退院に向けたリハビリを兼ねて様子を探ってもらいたい。かくして所長肝煎りのアマチュア探偵誕生となったが…。パズルシリーズ第一作、初の書籍化。
著者等紹介
白須清美[シラスキヨミ]
1969年山梨県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
92
パズルシリーズ第1弾。妻を亡くしアルコールに溺れていた主人公ピーター・ダルースは、精神病院に入院中である。ある日院内で殺人を予告する声を聴いた者が何人か居て、ピーターは院長の頼みで調べる事になる。すると実際に、連続殺人が起きてしまう。精神病院という特種な環境、容疑者が患者と医療関係者に分かれる中での推理は難しい。信用出来る会話か、信用出来ない会話かを、先ず見極めなくては為らない状況だからである。この設定は、たいへん重厚な謎解きを楽しめる上、推理は合っているが犯人は違うというオチにも驚かされる良作だった。2019/09/28
Panzer Leader
50
高級療養所に入院しているアルコール依存症の演劇プロデューサーが探偵役の主人公という設定がユニーク。登場する施設職員や入院患者達も個性的で怪しさ満点。種明かしがちょっとあれだけど、読みやすく退屈はしないが、ユーモア満載とは思えなかった。次作の「俳優パズル」を読んだらこのシリーズを続けて読むかどうか決めよう。2017/10/05
空猫
32
【海外ミステリマストリード39/100】精神病院が舞台。「イカれた人達」のミステリが続き食傷気味だったか。キャラに魅力を感じず、中だるみ感あり、おいらには合いませんでした。シリーズ物だそうだがアル中あがりの、あの推理を間違えたダルースが探偵で続くのか?ビミョーだなー。 ナナメ読みしちゃった。 でも評判は良いようなのでもう一作品読んでみようかなー。2021/07/06
紫
29
女性にどれも魅力がない。あの子とあの人に、なぜ男性患者が好意を寄せるのかが、私、最後まで謎だった。患者たちはいずれも興味もてる。シリーズになってるようだが、患者の誰かが出てくるなら、読んでみてもいいかな。2013/02/07
けん
24
数年前にこのパズルシリーズのラスト(8作目?)【女郎蜘蛛】を読んでから、あらためて海外ミステリーの虜になり、僕の第二次海外ミステリーブームが始まりました。その後【俳優パズル】(2作目)を経て、今回待望の1作目、ピーター・ダルースとアイリスの出会いの作品を読了。変な言い回しかもしれませんが、やはり居心地の良い、雰囲気のある作品でした。ちなみに犯人当ては一発大当り!でした。【C】2017/07/13