感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
17
恋人を吹っ切れない近眼の女は「先に行くので新車を後からパリへ届けてくれ」と主人の約束に反して新車を好き勝手に飛ばす。しかし、トランクから死体が見つかる!どう考えても自分しか疑いが掛からない事実に獲り込まれていく女の精神状態は酩酊しそうになる位の困惑を覚えました。そして予想だにもしない予定調和めいたオチに愕然としました。2013/04/13
春ドーナツ
15
先日「アナザー」(2015)というフランスのミステリ映画を観た。主演のフレイア・メーバーは魅力的で、どちらかというとカフカエスクな作品だった。鑑賞後の楽しみはP会員のレビューに目を通すこと。前後の文脈は忘れたけど“原作は難解”の「難解」を前にメラメラしてきて本書を読んでみたいと思った。本書は難解なのか? 主観的な話なのでコメントは控えます。初版は1968年で、私が借りたのは1976年14版なので、当時人気を博していたのでしょうね。ついつい映画では描かれなかった部分に目がいく。そして脚色の素晴らしさに唸る。2022/10/31
きりぱい
8
社長を送った車を自宅に戻しておくよう頼まれたのに戻さないでドライブしちゃうダニー。返す前にちょっとくらい楽しんでいいわよね、という考えがもうムリなのだけれど、何となく冴えない女性だと思って読んでいたので、途中で美人だと気がついて慌ててイメージを訂正。どうりで男が寄ってくるはずだ。突如ふりかかった死体に犯人を探そうとすればするほど自分としか思えない状況に追い込まれ・・。イカれているのは誰なのか。関係者が少ないので未知の人物が出てこない限り、あいつかこいつかしかいない。悪くはないけれどちょっと読みにくい。2014/07/10
ルミ
2
ヒロインがママン・シュップと見た映画《黄昏のブールワール》って「サンセット大通り」ね。 中盤に出てくる映画(ローラ・モンテス、ジュールとジム)の邦題は、「歴史は女で作られる」と「突然炎のごとく」。 そういえばこの訳者、「殺意の夏」でも his master's voice の意味が解ってないように感じた。2012/04/07
水蛇
1
ジャプリゾの作家としての暴力性が大胆不敵ですき。気性の激しさ(荒さではない)がどうしたって感じられる。ブコウスキーともまたちがうマシンガン。こんな荒波みたいなテイストなのにちゃんと映画化にも恵まれてたんだから稀有な人だよね。