創元推理文庫<br> シンデレラの罠

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創元推理文庫
シンデレラの罠

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  • サイズ 文庫判/ページ数 220p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488142018
  • NDC分類 953
  • Cコード C0197

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

43
「私は探偵で、証人で、被害者で、犯人でもあります」という衝撃のあらすじから始まる物語。億万長者の気まぐれな伯母に愛されたが葦が倒れたように奔放に生きる女と堅実に生きる女、そして億万長者の相続人の後見人。女同士の愛憎と共依存と支配と隷属、それによって動く巨額の遺産。顔を一度、失い、記憶を失った女は果たして誰なのか?記憶の埋め込みと欲、自分が覚えている過去に困惑する女が状況にじわじわと追い詰められていく過程に手を握り締めてしまいます。最後の遺産の行方にあっと言わされます。すると彼女はあの人なのか・・・・。2013/03/27

星落秋風五丈原

35
いやーなんでこの章タイトル(「私は殺した」「私は殺された」)なんだろうと思ってましたがそういうことでしたか。アイデンティティに絡むミステリ。最初は火事で一方は死に一方は生き残って二人は知り合いで…とくればなるほど!とまずはぴんとくるアイデアがあるのですが、裏切られましたね。2016/06/05

背古巣

27
題名がきれいですね。淡々とした内容でした。冒頭話が急展開しだれがだれかわからず。読み進むうちに、「ああ、こういう内容の作品なのね」とわかってきましたが、結論は私の頭ではわかりませんでした。でも面白かったですね。途中、「遺産の行先はこっちじゃね!?」と思ったらやはりでした。悪いことはできないですね。まあ、本人がだれかわからないので結果の良し悪しは判定できないのですが・・・。2017/07/26

ホレイシア

14
なるほど、こういう話か。記憶喪失ものが好物ということもあって、面白かった。手にとったきっかけは、山田正紀氏の「ふしぎの国の犯罪者たち」のあとがきにこの作家が好きだと書いてあったからだが、うん、わかる気がする。かなり影響を受けているなと思った。フランスのミステリーって、そういえば私もあまり読まないな。さらに何冊か読んでみることにする。2009/09/07

あ げ こ

12
私が誰であるか、誰であったのか、不明瞭なまま、私がいる、不穏さ。誰であるのかわからぬまま、演じ、貪り、惑う、私であることだけが、明瞭さを帯びて行く。馴染まぬ記憶、ひどく冷たいと、凍える身体。愛されるもの。愛されぬもの。明らかになることのない、輪郭。多くを課せられ、多くを投げかけられ、歪にその形を変えてしまう、物語の怖さ。私を物語る私さえ、不確かなまま。不安定な場所を彷徨い続けることより生まれる不安は、僅かに甘さを伴うもの。不信感こそが、心を物語へと繋ぐ。信じられぬ語り手、その危うさ故に、蠱惑的な物語。2015/04/21

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