感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ボーダレス
2
愛情と友情は目に見えないものである。退屈な日々を過ごす主人公のパティは女占い師の予言から風向きが変わり始める。物語のキーとなる女占い師の意表をつくトリックはアルレーの人への想いを具現化したものだろうか・・・。2018/05/07
シャルル・ルコック
1
外交官クリスの愛人パトリシアは、行きずりの男アルベールと関係を持って以来、執拗につきまとうアルベールの影に脅えていた。追いつめられたパトリシアの前に、妖術を使うという女呪術師アラ・バリノフが現れ…。犯罪者の心理を描く傾叙ものを好むアルレーだが、本作はどんでん返しを含むトリッキーな構成となっている。ストーカーやオカルトといった要素を盛り込みサスペンスフルに展開しながら、クライマックスでは意表をついた急展開を見せ、エピローグのどんでん返しですっきりと幕を下ろす構成は洒落ている。多少の後味の悪さは残るが面白い。2019/01/04