内容説明
花の都パリは、また犯罪の都でもある。そこでは殺人、強盗、詐欺、放火等、あらゆる犯罪が渦巻いている。これは探偵趣味の持主ルボルニュ青年が、貧弱な新聞記事を手がかりに十三の犯罪の謎をいとも鮮かに解明してみせる連続短編集。いわゆる純粋推理だけで事件を解決する安楽椅子探偵の好例で、シムノンの作品中でも特に高く評価される傑作集である。メグレものの長編『第1号水門』を併載。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
59
読メさんお勧め本。『13の秘密』探偵趣味のあるルボルニュ青年が、ストックしている過去の事件の新聞記事や調書から真相を明らかにする。面白いのは、ルボルニュが事件を解決することだけにこだわっていること。彼にとっては、事件の真相が分かって自己満足が得られればそれでよく、犯人が捕まるとか、その真相を公に明らかにするとかいうことは、どうでもいいということだ。そういったところが、いかにも、安楽椅子探偵といった感じがする。『第1号水門』メグレ警部シリーズ。シムノンには女性の浮気を扱った作品が多いようだ。2018/04/03
bapaksejahtera
17
13の超短編と中編からなる1933年発表の作品集。短編は小生意気な青年が、居乍らに新聞等から事件の真相を当てるという下らぬ物。著者が以後この方向に進まなくてよかった。中編は著者の作家生活の原点である川船の世界を描く。傍若無人で乱倫の生活を憚りもしない男の周辺で傷害事件や殺人、自殺が発生。メグレが真相を明らかにする。以降の捜査スタイルが既に明らかだ。メグレはこの時点で辞職を決意し、妻は隠居住宅の準備を進める中での捜査であった。この後泣きつかれて警視庁に入れてやった甥の尻拭いで、メグレが復職をする流れになる。2023/08/30
tokko
11
ジョセフ・ルボルニュが登場する短編はいわゆる安楽椅子探偵もの。たいてい「ぼく」が解けない謎を、ルボルニュがいとも容易く解決してしまうという筋書き。読者はいろんな情報をルボルニュと一緒に共有したところで、いざ解決篇を読むことになる。自分の推理が当たったものもあれば、外れたものもあって、頭の体操にはちょうどいい。「第1号水門」はメグレ警部が活躍する中編で、こちらは対照的に現場主義的な解決法です。それぞれに面白みがあって、サクッと読めてしまう。2025/12/25
J・P・フリーマン
6
13のきわめて短い短編集とメグレ警部が活躍する中編小説をまとめた作品。13の秘密のほうはサクっと読める感じは今の時代に合っているかも。第1号水門は、河川運送業で財を成した男の苦悩を綴った物語。ただその男の振る舞いがどこまで演技で、どこからが本心なのかを測りかね、感情移入することができず、なかなか話に入り込めなかった。2025/11/23
彼方から
3
ルボルニュを探偵とした短編集(と言うより推理クイズ集?)とメグレ警部ものの『第一号水門』を併録したもの。トリック云々ではなく人間心理のやり取りを楽しむものという印象。フランス心理小説の流れかな。2025/10/18




