創元推理文庫
ピカデリーの殺人

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  • サイズ 文庫判/ページ数 384p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488123031
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

geshi

29
名探偵チタウィック氏が自ら目撃した毒殺事件を否定するため捜査をするひねくれた設定はバークリー流。いかんせん導入部がもたつきすぎて、結果的に話が鈍重に思えてしまう。チタウィック氏に関係者が思い直すようお願いする場面は繰り返しのギャグなのは分かるけど、2回目以降はもっと手早くやって欲しい。疑問の余地なしと思えた事件に徐々に楔を打ち込んでいく捜査は疑問点の見せ方が上手い。ラストで意外な犯人持ってくるために終盤バタバタさせすぎた感は否めない。2016/07/01

kochi

20
犯罪研究家チタウィック氏は、ホテルのラウンジで趣味の人間観察を始めたことで、資産家夫人毒殺事件の目撃者となったばかりか、被疑者の妻ジョディから、裁判となれば有罪は避けられない夫を救う手伝いを依頼される… 矛盾した立場に置かれながらジョディと彼女の幼馴染の公爵の三人組でウキウキしながら捜査に当たるチタウィック氏が解明する謎の先には、二転三転とする鮮やかなどんでん返しが! 伯母に頭の上がらないちょっとコミカルな探偵のキャラクターといい、素人三人による笑ってしまうドタバタの捜査といい二時間ドラマ的雰囲気がいい。2016/10/01

kyoko

13
これだけ少ない登場人物で謎解きをし、二転三転して最後の最後にひっくり返すってやっぱり名作だわ。古い本だけに、さすがに翻訳も素晴らしかった。2021/10/10

けいちゃっぷ

12
『毒入りチョコレート事件』に続いての名探偵チタウィック氏登場。 ピカデリーという名前から舞台は映画館かと思ったらホテルでした。 そこのラウンジで人間観察をしていたチタウィック氏は毒殺事件に遭遇してしまうが、それを否定するための捜査をするハメになる。 面白い導入部だが、いかんせんもたもたしすぎ。 当初の雰囲気からは意外な犯人であったが、終盤は多少バタバタしてた。 387ページ 2017/06/02

綾なす落書き

10
人が絶対に信じているものが、一つだけあろう。それは、自らの眼にしたものは正しい、という視覚に対する信頼性だ。それは正しい。しかし、一つ信じてはいけないものがある。自らの解釈が正しい、とする誤解だ。見たものは正しくとも、解釈が正しいとは限らない。見たものを見たまま処理できる人間はおそらくおらず、だからこそ、誤謬が生まれる。探偵役は一つの確実な証拠を手に入れる。毒殺された老女のカップに、男が手を近づける現場を見る。何が正しく、何が間違っているのか。それを糺すのが、探偵だ。解説が最早評論。その熱意がすばらしい。2015/10/11

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