出版社内容情報
88歳の元殺人課刑事バック・シャッツが、牙をむく老いと闘い、現役時代の苦い記憶と敵とマグナム357と痛烈な皮肉で勝負する。大好評『もう年はとれない』を超える爽快作。
内容説明
88歳のメンフィス署の元殺人課刑事バック・シャッツ。歩行器を手放せない日常にいらだちを募らせる彼のもとを、因縁浅からぬ銀行強盗イライジャが訪ねてきた。何者かに命を狙われていて、助けてほしいという。やつは確実になにかをたくらんでいる。それはなんだ。88歳の伝説の名刑事vs.78歳の史上最強の大泥棒。『もう年はとれない』を超える、最高に格好いいヒーローの活躍!
著者等紹介
フリードマン,ダニエル[フリードマン,ダニエル] [Friedman,Daniel]
メリーランド大学、ニューヨーク大学ロースクールに学ぶ。ニューヨークで弁護士として働くかたわら、2012年に『もう年はとれない』で作家デビューを果たし、マカヴィティ賞最優秀新人賞を受賞
野口百合子[ノグチユリコ]
1954年神奈川県生まれ。東京外国語大学英米語学科卒業。出版社勤務を経て翻訳家に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
367
前作では感じた前半の退屈さが今回はない。それどころか、いきなり序盤で銃をぶっ放して若者を地獄送りにする。レビューを見る限り、モラル面で嫌悪感を抱く読者も相当数いるようだけれども、そういう「ありえねー!」を楽しむものだと思えばまずまず。随所に高齢者らしい含蓄ある台詞も挟み、過去章の五体満足な荒くれっぷりもスパイスになっていてダレずに読めた。課題としては、前作同様に本筋の事件がヒネリがなく単調なこと。対決の締めくくり方もいいんだか悪いんだか、なモヤモヤが残る。2018/04/11
sin
112
移民の国アメリカが抱える人種差別という病根…作中主人公の主義として語られる犯罪者に対する「悪をなすことを選んだモラルの代行者などではない…云々」という考え方の先には、ともすれば人権や境遇という綺麗事に隠されてしまいがちな人間の悪の本質を暴き出そうとする姿が垣間見える!そこには黒人や白人という人種は一切関係ない。ただ一途に正義を求める諸刃の拳銃…それこそ彼の依って立つ処なのだろう。そして正反対に位置するイライジャの存在がこの作品で彼の信念をいっそう際立たせている。2017/02/24
紅はこべ
110
考えてみれば、ユダヤ人がミステリでプロの犯罪者を演じるって珍しいかもしれない。何となくユダヤ人は金儲けの才があり、犯罪に手を染める必要がないような印象があるから。先の大戦でナチスからユダヤ人を救った筈のアメリカ人が、本国では迫害する側に回っている。アメリカの闇だ。バックの法や社会への不信感が根強いのも仕方ない。冒頭のバックと施設の女性総務部長のやり取りは楽しかったが、その後はバックの減らず口もやんちゃな行動も前作の精彩はやや欠いているように感じた。でも面白かったです。2016/05/07
雅
102
88歳の歩行器付きのお爺さんが大暴れ。前作程ではないけど痛快です。民族問題はそこまで理解できないけど面白かったです2021/09/15
タツ フカガワ
73
シリーズ2作目。強面の元刑事だったバック(88歳)のところへ78歳の元銀行強盗のイライジャが、何者かに命を狙われているので守ってほしいと訪ねてきた。44年前、完全防備の銀行金庫から17万ドルが盗まれた。イライジャが犯人とわかっていたバックだが証拠は皆無で逮捕に至らなかった。現役時代、31人を銃撃、うち12人が死亡というバック刑事にハリー・キャラハン刑事が重なる44年前の姿も面白いが、巧妙に練られた罠が最後に明らかになるラストが秀逸。欲を言えば、もっと孫テキーラの活躍も見たかった。2024/02/01