感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちどり
22
「裏窓」「死体をかつぐ若者」「踊り子探偵」「殺しの翌朝」「いつかきた道」「じっと見ている目」「帽子」「だれかが電話をかけている」「ただならぬ部屋」裏窓はタイトルから想像できる王道ストーリーで安心して読める 死体をかつぐ若者はラストの展開がスッキリする良作 踊り子探偵はアイリッシュらしい内容 この三作品がお気に入り(ただならぬ部屋は以前読んだことがありましたがこの作品も面白いです)2014/11/23
藤月はな(灯れ松明の火)
22
BSのヒッチコック特集で観た「裏窓」は登場人物の役割が一般受けしやすいように変えられていたんだなと原作を読んで知りました。好きなのは表現できる能力を喪った中で如何にして事件の真相を伝えようとするおばあさんとそれを読み取る青年に心から「頑張って!!」と応援したくなる「じっと見ている目」、最後にぞっとする「だれかが電話をかけている」、哀愁とロマンが漂う「踊り子探偵」です。2012/03/26
cinos
16
「裏窓」も「じっと見ている目」も映像的でサスペンスあふれる秀作。「死体をかつぐ男」のラストの切れ味。「ただならぬ部屋」は「913号室の謎」でした。図入りの密室殺人物です。2017/08/19
Tetchy
11
ヒッチコック映画であまりにも有名な「裏窓」をタイトルに冠して編まれた短編集。今回秀逸なのはやはり表題作と「いつかきた道」、「じっと見ている目」、「ただならぬ部屋」の4編を挙げる。しかし以上の4編以外がつまらないというわけではない。今回は物語に起伏があり、読み応えがあった。昔の作品だという感覚は拭えないのは仕方はないにせよ、もう1つ心に残る作品があれば傑作になっていたと思う。2009/09/19
elf51@禅-NEKOMETAL
7
ヒッチコックの名作映画「裏窓」の原作が入っている。映画ではかなりふくらませられているが。ベッドで動けない作家が窓越しに見た情報から犯罪を推理するという。その後もこういう設定は使われているが,限定条件の中での緊迫感をよく拡げて行くなぁと。各短編とも,非常に設定が面白い。「死体をかつぐ若者」なんていうのはばかばかしくていい。ばかばかしいが,ひねりは効いている。短編ならではで,コンパクトにまとまっていて楽しめる作品集。2021/01/05