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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
298
魅力的な筋書きという事では屈指の作品だと思う。謎が明らかになってくるにつれて、徐々に興醒めしてしまうところもあるが、カーならでは、古典ならではで許せてしまう不思議な魅力がある。実際、かなり無理筋な犯罪計画なのだが、「あぁ、カーだなぁ…」という感慨を妙に深く持てる。設定が独創的で”一人で入ると死ぬ部屋”というアイデアだけでも相当に価値がある。こういう、面白そうな設定を思いついたので、何とか解決をこじつけてみました、的なミステリは好きなので、個人的評価は高い。物語の締めくくり方もカーらしさがあって好き。2017/02/04
森オサム
60
「一人で2時間入ると必ず死ぬ部屋」の扉を開く事に。60年振りに実験すると、何と今回も入った人物は死体となって発見される。衆人環視の完全な密室、関係者全員の完璧なアリバイ、見当も付かない毒殺トリック。そして血塗られた一族の歴史を語るフランス革命時代の過去のエピソードが、この事件に一層不気味な色を付ける。江戸川乱歩もカー作品の中でおススメであったそうです。現代の視点で見ると違和感が有るのは古典名作の宿命でしょう。しかし、犯行可能な人物は一人しか居ない、なるほど見事な本格ミステリーでした。おススメです。2018/03/11
みっぴー
32
その部屋に一人でいると二時間以上は生きていられない…部屋に毒殺されるらしい。なんともカーらしい素敵な設定で、呪われた部屋の起源はフランス革命時代の処刑人一族に遡るという挿話もグッドでした。ただ残念なのが、犯人があまり意外な人物ではなかったことと、動機があまりにも安っぽすぎるといった点です。作品全体の雰囲気は幻想的でとても好みだったので、最後の最後で勿体ないなぁ~と思いました。2015/11/13
星落秋風五丈原
29
毒殺なら密室でなくても成立するのでトリックと結びつけるのは無理がある。2018/04/25
Tetchy
23
人を殺す部屋とか昔の毒針仕掛け箱の話などガジェットは非常に面白いのだが、いかんせん冗長すぎた。シンプルなのに、犯人が意外なために犯行方法が複雑すぎて、犯人を犯人にするがためにこじつけが過ぎるような印象を受けた。第1の殺人ベンダーの毒殺方法は非常に面白く、これぞカー(ディクスン)!といった感じだが、H・M卿が後出しジャンケン的な推理を披露するにいたり、かなりガッカリした。2009/09/27