出版社内容情報
雨上がりのテニスコート、中央付近で仰向けになった絞殺死体。不可能犯罪の巨匠カーが、本格ミステリの華“足跡のない殺人”に真っ向から挑む、フェル博士シリーズの逸品。
内容説明
雨上がりのテニスコート、中央付近で仰向けに倒れた絞殺死体。足跡は被害者のものと、殺された男の婚約者ブレンダが死体まで往復したものだけ。だが彼女は断じて殺していないという。では殺人者は、走り幅跳びの世界記録並みに跳躍したのだろうか?“奇跡の”殺人に挑むのは、名探偵フェル博士。驚天動地のトリックが炸裂する巨匠の逸品!
著者等紹介
カー,ジョン・ディクスン[カー,ジョンディクスン] [Carr,John Dickson]
アメリカ、ペンシルヴェニア州生まれ(1906‐77)。1930年に予審判事アンリ・バンコランを探偵役とした『夜歩く』を発表。オールタイム・ベスト級の傑作を次々とものし、熱狂的な読者を獲得。“不可能犯罪の巨匠”と呼ばれる
三角和代[ミスミカズヨ]
1965年福岡県生まれ。西南学院大学文学部外国語学科卒。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kircheis
302
★★★☆☆ フェル博士シリーズ第11作目。 前半はヒューとブレンダのカップルが自分達への疑いを逸らすためについた嘘を突き通せるかどうかというある種の倒叙形式で進行し、後半は「誰が」「何故」「どのように」フランクを殺したかのクラシックな謎解きとなる。 前半のサスペンス感と若干のユーモアは超面白かったが、後半の真相はかなり期待はずれだったことが否めない。 そんな大掛かりなトリックを使わなくても犯行のチャンスはあったような… 二つ目の殺人に関しては、小学生が考えたかのようなオチだし!2022/05/30
ちょろんこ*勉強のため休止中
152
カ-ってこういう緩い作品書くのか、と驚愕した。テニスコートで殺されたセレブなプレイボーイ。彼をめぐる恋の鞘当てがチ-プなソ-プオペラのようだった。ドタバタ劇の要素ある、一種のバカミス。最後唐突に登場した、主人公の父親のオヤジギャグには脱力した。謎解きはいつもながらに強引な荒技。現実離れしているが、これはこれでパズルのようで楽しかった。本格的な推理を求める人には物足りないと思うが、気楽に楽しめて読み易い一冊だと思う。2014/09/28
セウテス
104
ギデオン・フェル博士シリーズ第11弾。〔再読〕誰もいない雨上がりのテニスコートの中央で、フランクは絞殺されていた。「足跡の無い殺人」がテーマの謎解きかと思いきや、被害者の婚約者が遺体に駆け寄ってしまう為に、彼女の無実を晴らす展開になる所が面白い。反面、純粋にトリックの謎を考える状況にはならない事が、良いのかどうか判らない。彼女を取り巻くロマンスや、追い詰められていくサスペンス感が強く、程好い緊張感が在る事も理解は出来る。意外な真犯人や、最後の後日談が中々味がある事でまとめてはいるが、私の好みでは今一つ。2019/08/30
NAO
68
雨上がりのテニスコート中央付近で見つかった絞殺死体。そこまでの足跡は、殺害された本人と発見者が往復した足跡のみ。人間心理を巧みに突いたトリックは、読み応えがあった。2022/04/02
yucchi
41
フェル博士シリーズ。雨上がりのテニスコートの中央付近にある絞殺死体。足跡は被害者の物と死体を発見した婚約者の往復した物のみ。婚約者に惚れている弁護士が婚約者と示し合わせて、嘘と真実を混ぜ合わせた証言をしていくのだが...。フェル博士もトリックもあまり目立たず残念。それよりラストの弁護士の父親が放ったオヤジギャグにすべて持って行かれて終了(笑) 2017/06/14