創元推理文庫
殺人者と恐喝者―ヘンリ・メリヴェール卿シリーズ

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 316p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488118365
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

夫が殺人者であると知った若妻ヴィッキー。居候を決め込んでいる叔父もその件を嗅ぎつけた。家庭内騒動の渦中に、衝撃的な殺害事件が発生。H・M卿、回想録口述の傍ら不可能犯罪を推理する。

内容説明

余の出生は一八七一年二月六日、サセックス州―ヘンリ・メリヴェール卿の口述が始まった。心打たれる瞬間である。しかしその折も折、変事が突発した近傍のフェイン邸へ出馬を要請する電話が入った。家の主人が刺されて亡くなり、手を下した人間は判っているが状況は不可能を極めているという斗柄もない事件である。秘書を従え捜査の合間も口述を進めるH・Mの推理は如何に。

著者等紹介

高沢治[タカサワオサム]
1957年茨城県生まれ。東京大学、同大学院人文研究科に学ぶ。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Kircheis

360
★★★☆☆ H・M卿シリーズ第12作目。 犯人候補が限られている中で、見事な騙しテクニックが使われており、個人的にはかなり好き。少しアンフェアだが自分は気にならなかったし、タイトルの真の意味が分かった時はむしろ鳥肌立つくらい納得した。 トリックは手品師のような奇術が用いられていて、非現実的であり、その点はマイナス。 カー作品は、エンディングが清々しいものが多いが、本作は特に多幸感が強い。その辺りも好きな要因になっている。2025/01/11

Tetchy

61
なかなか復刊されない本書に業を煮やして図書館で2004年に原書房から出版されたハードカバー版を読了してまさか2ヶ月後に文庫で新訳版が出るとは思わなかった。読後の感想はハードカバー版に譲るので割愛。アンフェアと評された例の一文もやはりあれしか書きようがないだろう。それらを含めた麻耶雄高氏の解説は非常に秀逸。さて約55年ぶりに文庫での再刊が成された本書が手に入るのは今を措いて他にはなく、この機会を逃すと次は生きているうちには手に入らないかもしれない。長らく問題作と評された本書だが、この機会にぜひぜひ!2014/02/03

星落秋風五丈原

53
正直言って、メリヴェール郷の軽口と負けていないマスターズ警部の丁々発止のやり取りや、メリヴェール郷の昔のいたずら(というが、大嫌いな叔父に対する仕打ちは犯罪すれすれでメリヴェール郷の方が犯人より怖いよ!)など、自伝絡みのコメディ要素がかなりあり、そちらを読むのが楽しみだった。というのは、当時はそれなりに信ぴょう性もあったのかもしれないが、現代感覚で読むと「人は、例えああいう状態にあっても、絶対に自分が嫌がる事はしない」という定説が広まっているために、そもそも容疑者を怪しいと思えなかったためである。2016/11/29

みっぴー

51
カー御乱心?このトリックはどう評価すべきか…色んな意味で驚きました。HM卿シリーズです。催眠術をかけられた女性が〝出来るはずのない〟殺人を犯します。それをきっかけに次々と事件が。タイトルに込められた真実、ストーリー展開はやはり巨匠。それだけにあのネタ明かしでの落胆は大きいと言わざるをえません。ですが巻末の解説者の名前を見て一気にテンション上がりました。ネタバレありでの解説ですので、手っ取り早く物語の筋だけ知りたい方は解説だけ読むのもありですね。2016/06/27

kagetrasama-aoi(葵・橘)

45
カーター・ディクスン、登録四十四作目。ヘンリー・メリヴェール卿の長編十二作目。謎は凄く魅力的です。衆人環視の中での不可能犯罪。しかも催眠術が絡んできます。カーの面目躍如です(o^O^o)。唯、トリックがね…。うーん、発表された頃は斬新だったのかも!ロマンス譚も健在、しかも二組も。謎解きもロマンスの行方もドキドキです。作中でH・Mが回想録を口述筆記させるんですが、これが爆笑もの。刊行して欲しいです。2022/07/18

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/7852547
  • ご注意事項

最近チェックした商品