出版社内容情報
数十年ぶりに帰国し、准男爵家を継いだ男は偽物なのか? タイタニック号沈没時に入れ替わったと主張する男の登場が、底知れぬ不可能犯罪を招く。巨匠の瞠目の傑作、新訳版。
内容説明
1年前、25年ぶりにアメリカから帰国し、爵位と地所を継いだジョン・ファーンリー卿は偽者であり、自分こそが正当な相続人であると主張する男が現れた。渡米の際にタイタニック号の船上で入れ替わったのだと言う。あの沈没の夜に―。やがて、決定的な証拠によって事が決しようとした矢先に、不可解極まりない事件が発生した!巨匠カーによるフェル博士登場の逸品、新訳版。
著者等紹介
三角和代[ミスミカズヨ]
1965年福岡県生まれ。西南学院大学文学部外国語学科卒。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
351
昔の文庫では、殺害現場の状況がよく分からないのと、自動人形の絵が浮かんできづらかったので、真相のインパクトは強くとも、どこかモヤモヤが残っていたが、新版では表紙が変わり、自動人形のデザインがイメージ出来るようになった事が大きなプラス。あまり良い訳ではない気がするが、作品自体はカーの全作中でも間違いなく上位に入る。シンプルで大胆なトリックは凄く良いが、場面描写がとにかく分かりづらい。開かずの部屋の間取りと、自動人形が動いて階段を落ちていく場面とその時の人物配置等は、全然頭に入ってこない。でもちゃんと面白い。2017/03/11
藤月はな(灯れ松明の火)
57
現在、爵位についた弟はタイタニック号沈没の際に入れ替わったの偽者であるという男が現れた。指紋照合で決着をつけようとした矢先に憎たらしいマリーではなく、糾弾されたジョン・ファーンリーが殺され、指紋照合の証拠も盗まれていた。ナコボフの『絶望』を読んだ後にこの作品を読んだので思わず、『犬神家の一族』と共に類似点を重ね合わせていました^^;マリーの憎たらしさに思わず、むかっ腹を立てながらも相変わらずのフェル博士や悪魔学や自動人形などの怪奇色にニヤリ。でもトリックと真相が「・・・えっ」と思えるものだったのが難点かな2013/12/01
本木英朗
42
『曲がった蝶番』新訳版である。俺は旧訳で大学・社会人と2回読んでいたが、ぜんぜん分からず仕舞いなので改めて新訳を買って読んでいた。1年前、25年ぶりにアメリカから帰国し、爵位と地所を継いだジョン・ファーン卿は偽物であり、自分こそが正当な相続人であると主張する男が現れた――という話から始まる。まさにジョン・ディクスン・カーにしか書けない物語である。最後の最後まで、俺はただただ名探偵フェル博士と真犯人による真相を黙って読むしかなかった。大満足でした。またいつか読もうと思う。2023/02/07
ホームズ
40
新訳で再読。やはり新訳になると読みやすくって良いですね。しかしタイタニックでの入り代わり疑惑だったり1年前の殺人と悪魔崇拝など面白い謎で良かったのに解決部分はかなりの力技というかなんというか(笑)自動人形はもっと事件に関係してくるのかと思ったけどあんまりなのが少し残念かな。2013/03/16
yucchi
38
フェル博士シリーズ。ある日ジョン・ファーンリー卿は偽物で自分こそが正当な相続人であると名乗る男が現れた。あのタイタニック号で入れ替わったと言う。どちらが本物のファーンリー卿なのかは早いうちに解決するが、不可解な事件や1年前の事件、屋根裏部屋の機械人形等も混ざり合い、先が気になる。不可解な事件の真相は個人的には苦笑いをするしかなかったけれど、カーらしさが出ていてこれはこれで良いのだと思うことにする。2017/05/01
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