内容説明
時は1927年4月。ニュー・オーリンズに生まれパリに遊学中の歴史小説作家ジェフ・コールドウェルは、友人デイヴの奇妙な手紙に誘われて久しぶりに故国アメリカの土を踏んだ。デイヴは、祖父がイギリスから屋敷のまま買いとって改築した由緒ある建物「デリース館」に妹と二人して暮らしている。だが、その家には「死の館」という別名のあるように過去に奇々怪々な事件が起こっていた。そして今回ジェフを待ち受けていたのは人知を超えた不可思議な事件だった!不可能犯罪の巨匠ディクスン・カー,1971年度待望の新作歴史推理巨編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ホームズ
14
カー晩年の作品という事でちょっと展開は退屈。宝探しに殺人事件と割りと面白い謎があるのにな~。ホウバート兄妹のちょっと不安定で怪しい感じをもう少し上手く使えたら面白かったかも知れないかな。金塊の隠し場所は面白くて良かったけど、殺人事件のトリックはいまいち…。2007/10/03
Tetchy
5
大味だ、あまりにも大味だ。作品の構築したトリックが単なる研究成果の発表会と化し、全くの自己満足となっている。しかし、なおざりにされた登場人物の多い事!2009/03/06
elf51@禅-NEKOMETAL
4
入手困難本。50年くらい前の事件を題材とした歴史ミステリーの範疇で,ディクスン・カー晩年の作品。手に入らないという事情のとおり,あまりできはよくない。別名「死の館」,隠された財宝,閉ざされた部屋での殺人と一応場は揃っているが,前段から冗長。財宝の隠し方はなるほどだが,動機もあまり腑に落ちない。トリックはそうかと思うがどうもわかりにくい。トリックより,過去の事件の真相と現在の事件との対比を書くことに注力したのだろう。2020/05/03
東森久利斗
4
歴史ミステリーとして、本格ミステリー、密室ものとは異なる雰囲気、作風を目指したのか? 晩年の作だから?、あるいは、舞台がアメリカ南部だから? カーの持ち味、特徴である恐怖感や緊迫感のレベルが低く味付けもアッサリ風。結論を急ぐことはない、他の歴史ミステリーを読んでから判断することにしよう。2019/06/08
madhatter
2
カーのヴィクトリア朝以降の時代物の悪い癖が顕著な作品で、展開がダル過ぎる。さて、本作のトリックは「○○自体に…」という『震えない男』の系統にある。しかし個人的には、犯人の絞り込みの弱さが気に掛かった。「犯人が実は××」という点はともかくとしても、「犯人が○○を知らされていた、故に犯人」という点は、あくまで推論の域を出ず、証拠もない。加えてこの二者は、単純に等号で結べる要素でもないだろう。これらをつなぐ推理が必要だったと思う。2011/08/19
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