出版社内容情報
ディクスン・カー[ディクスンカー]
著・文・その他
宇野利泰[ウノトシヤス]
翻訳
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hit4papa
64
全10編からなる短編集です。10編のうち6編は、ロンドン警視庁D三課課長マーチ大佐が主役で、不可能犯罪の謎を解きます。マーチ大佐は、一般的にヘンリ―・メリヴェル卿やギデオン・フェル博士よりは知られていませんが、カーのシリーズキャラクターです。3人とも大兵肥満の大男。見た目のインパクトは、H・M卿とフェル博士には敵いませんか。マイベストは、銃を持った手袋による殺人「新透明人間」、一瞬のうちに起きた殺人「銀色のカーテン」、幽霊譚と不可能犯罪を融合した「めくら頭巾」。短編になると頭の体操感は拭えません。2020/04/21
ピッポ
44
【再読】短編10編を収録。6編はロンドン警視庁D3課のマーチ大佐が探偵役で他の4編はノンシリーズ。もっとも印象に残った作品は『もう一人の絞刑吏』。使用されているトリックはいずれも非常に古典的で、「何かで知ってる」ものが多いけれど、当時としては斬新だったのではないでしょうか。 トリックはともかく、いずれの作品もカーらしい状況設定で、ストーリーも十分楽しめました。カーの雰囲気を十分楽しめる短編集だと思います。2016/02/06
藤月はな(灯れ松明の火)
40
ミステリーのオーソドックスを集めた記念碑のような作品集。印象に残るのは「銀色のカーテン」と「もう一人の絞刑吏」です。北村薫さんの「紙魚家没落」の収録作で紹介されていた「めくら頭巾」を読んでみたら最後が怖くて満足です^^2013/03/20
只三郎
32
10編からなる短編小説。前半読んだ時点の率直な感想は、犯罪トリックは子供騙しだけど、まあ面白いかなぐらいでした。しかし、読んでいくうちに段々とその面白さは増して行きました。 謎の中に潜む怪異さ、怪異な出来事の真相等と知らぬうちに、先の展開を少しでも早く知りたくなり、夢中になって読んでいました。 また、カーの別の作品を読んでみたくなりました。2016/01/24
Tetchy
28
某作にもカメオ出演しているマーチ大佐が主人公の短編集。意外としっかり纏まっており、各編大きな外れはない。2008/10/18