内容説明
クリスマス・イヴの夜、事件の知らせを受けたロイド首席警部とジュディ・ヒル部長刑事は現場の牧師館に急行した。殺されたのは牧師の義理の息子。状況から家族の中に犯人がいるのは明らかと思われたが、互いに庇いあう家族の前に捜査は難航する。次々と覆されていく偽りの陰から現れた真相とは?現代本格ミステリの新たな担い手、ジル・マゴーンが描く現代版“牧師館の殺人”。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
65
ロイド&ヒル シリーズ第2弾。大雪となったクリスマスイブの牧師館で殺人が発生、殺されたのは牧師夫婦の一人娘のDV夫である。今回は牧師夫婦と娘が、イブの行事等で牧師館を出入りしている為、アリバイの正確な時間が必要となる。しかし、幾重にも折り重なった個人の問題が、最初から真実を語ってはくれない。答はそこに在るのだが、作者の技により隠されて見えない。徐々に明らかになる個々の心理描写も相まって、センスの良さを感じる組み立てだ。じっくりと推理に取り組む作品、派手さは無いがクリスティ好きにとって味の在る結末だと思う。2018/02/18
がんもどき
9
図書館にあるこの作者の本を一通り借りて古い順ならよかろうと読み始めたが、シリーズ2冊目だった。残念。現代イギリスが舞台の殺人劇だが、捜査する警察も事件関係者のほうもアメリカナイズされてるなと感じる本だった。事件よりも周りの人間の悩みなんかに焦点が合わせられているとも感じる内容だったのでもうちょっと事件に焦点があっていてほしいなと思った。2023/07/26
koo
6
ロイド&ジュディヒルシリーズ2作目は牧師館での殺人事件、容疑者は僅か4人ですが証言はそれぞれの思惑から嘘ばかりでそのアリバイ崩しがロイド&ジュディの不倫と並行して行われてゆきます。警察官の不倫を殺人事件捜査中に見せられるのも辟易しますし登場人物が少な過ぎに感じますし真相にも意外性はありませんでした。またクリスティの牧師館の殺人を想起させる舞台であり日本語タイトルですがあまり類似点はないように思います。2022/06/23
ごへいもち
6
やっぱりクリスティのほうが2012/05/05
オーウェン
2
クリスマスの日に町で起きた牧師館での事件。 ジョアンナの夫エルストウが撲殺される。 エルストウは暴力を振るっており、妻の報復なのか。 または暴力から逃げたジョアンナが行った両親のしわざなのか。 話自体はかなりオーソドックスなミステリ。 登場人物も少なく、刑事や被害者を除けば、犯人の可能性があるのは4人だけ。 少しずつ真相に近づいていく中で、家に掛けられていた鍵や、焼けてしまったドレスなどが重要な証拠となる。 やや唐突なやり取りもあるが、そこは作者の癖というか、邦訳のせいなのか。2018/09/20