出版社内容情報
南北あわせて500万人が死んだ朝鮮戦争.東アジア冷戦の“血の幕開け”となったこの凄惨な戦いの中で起きていたのは,村人同士,隣人同士の血を血で洗う殺し合いだった.韓国最高の作家が描く告発と鎮魂のベストセラー小説.
内容説明
故郷への旅の途中で次々と現れる亡霊たち。彼らが呟くのは、半世紀前、朝鮮半島で起きた凄惨な戦争の生々しい姿である。それは南北米中の軍同士の戦いであっただけでなく、村人同士、隣人同士の血で血を洗う殺し合いでもあった―ピョンヤン、ニューヨーク、ベルリンで実在の人物に取材し、ソウルの獄中で構想した、衝撃の小説作品。
著者等紹介
黄〓暎[ファンソギョン]
現代韓国で最も人気の高い作家であり、民主化運動のリーダーのひとり。1943年「満州」に生まれ、1962年文壇にデビュー、1971年に発表した『客地』(邦訳岩波書店、1986年)で高い評価を得る。1989年に訪北。アメリカ、ドイツに亡命後、1993年、帰国。5年間の獄中生活を送り、1998年春に釈放された
鄭敬謨[チョンギョンモ]
1924年ソウル生まれ。慶応大学医学部を経て、1950年エモリ大学文理科大卒。朝鮮戦争勃発と同時に米国防省職員となり、その後韓国政府技術顧問。1970年来日。文筆活動に入る。1989年文益煥師とともに北を訪問
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