内容説明
隠退した名刑事リングローズが旧領主邸ホテルで聞いた、姿なき者の闇からの声。それは、恐怖におののく子供の悲鳴であった。不審に思った彼が事情を調べてみたところ、同宿の老婦人から予想だにしない事実を知らされる―「その子供は亡くなったのですよ。このホテルで、一年以上も前に」と。推理小説史上に不滅の光芒を放つ、必読の傑作!
著者等紹介
橋本福夫[ハシモトフクオ]
翻訳家。1906年兵庫県に生まる。1930年同志社大英文卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Kircheis
170
★☆☆☆☆ 引退した元警官が殺人事件の犯人を暴く話だが、最初から黒幕と実行犯は分かっているため、それをどのように追い詰めるかが主題となる。 犯罪が稚拙な上、登場人物にも魅力を感じれず、あまり面白くなかった。実行犯の方は怯えさせて自白させようとしたところ、やり過ぎて自殺されるっていう不手際ぶり。 終盤の犯人との知恵比べがハイライトだけど、犯人の企みがバレバレ過ぎてあまり盛り上がらないのも痛い。 ついでに最後に明かされる幽霊の正体もバレバレだったよ(-。-;2020/05/02
みっぴー
46
引退した名刑事が宿泊した部屋で、子供の悲痛な叫び声を聞く。「そいつを僕に見させないで、そばに来させないで!」過去にその部屋でおきた痛ましい事件の調査解決に乗り出す名刑事リングローズ。犯人の目星はついている状態からのスタートで、外濠を埋めていき、犯人の自白を引き出す、という流れ。会話が少ないせいか、いまいちテンポに乗れなかった。以前読んだコマドリは凄く面白かったのですが(^_^;)乱歩が絶賛した『赤毛のレドメイン家』に期待。2018/07/01
bapaksejahtera
18
大正14年作品に明治生まれの翻訳者。時代を感じるが、訳知り顔の探偵が超人的な謎解きをするバカバカしい探偵小説とは異なり好ましい。退職した刑事が休暇旅行で事件を解決するのだが、人格温厚の主人公が、領主館を改造した宿で回顧録でも書こうと思った処、連夜子供の苦しい訴えが響く。この家で非業の死を遂げた幼い霊のようだが、有物論者を自認する主人公は意外にも幽霊暴きはせずに、早速事件の探索を始める。結局は爵位の乗っ取りを企てる悪漢が、家扶を使嗾して怯え殺した訳で、早くに犯人は知れる。だが幽霊の種明かしは必要だったかな。2024/02/14
kagetrasama-aoi(葵・橘)
11
初読は中学生の頃、凄く面白いと感じた覚えがあります。復刊されたので再読しましたが、色々と古さを感じました。引退した名刑事リングローズの捜査手段が結構強引なところとか!でも、挿入されているロマンス譚は素敵だし、最後の犯人との対決場面はハラハラドキドキ。犯人の心理は当時の階級意識では不自然ではないと思いましたが、共犯者は哀れ!これも当時ならではなんでしょうね、と納得。最後はスッキリ纏って大団円、読後感は良かったです。古き良き推理小説だと感じました。フィルポッツ、もう少し再読したいです。2018/10/04
ホームズ
11
ようやくこの表紙のがゲットできた(笑)犯人は最初からわかっているけど徐々に真相に近づいていく感じが良かったですね(笑)しかしリングローズのやり方は結構無茶ですね(笑)2011/08/03
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