感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜間飛行
89
ポワロがたまたま隣の食卓に座った大女優から夫との離婚交渉を頼まれるという発端からして怪しい。頑固なはずの夫があっさり離婚を認め、その翌日には殺されてしまう。畳みかけるような謎の出し方に引きこまれ、頭の中でああでもないこうでもないと真剣に考えながら読んだ。途中(ミスディレクションもあるかも知れないが)話がこんがらがってくるのと、ポワロの謎解きが唐突な印象を与えるという欠点はある。しかし全ての手掛かりが示された時点でなお全員が疑わしい点や、メイントリックのシンプルな美しさに関しては、言うことなしの傑作である。2019/02/05
本木英朗
17
英国のミステリ女王、アガサ・クリスティの代表作のひとつが、この作品である。俺は高校、大学、社会人と3回読んできた。というわけで今回が4回目である。富豪のエッジウェア卿がある夜、何者かに刺殺されるという事件が発生。卿は美貌の女性である夫人ジェーンと離婚問題で係争中だった。たまたまその代理人を務めていたポワロは、こうして殺人事件に待ちこまれていく……という話。今回は全く忘れてしまっていたので、最後まで分からなかったよ。さすがポワロ、そしてクリスティ。やるねえ。2019/08/18
Ribes triste
10
エッジウッド卿の殺人事件。捜査は難航し、犯人は見えず。全てのパズルのピースがはまり、事件の全貌が見えたとき、犯人の言葉にゾッとしました。2016/12/08
てくてく
4
創元推理文庫でクリスティ作品を集め直している中の一冊。原題は「エッジウェア卿の死」。1930年代のクリスティ作品らしい登場人物の関係性と収まるべきところに収まる感じが楽しかった。2023/09/22
尹尹
4
魅力的な登場人物が多い。特に女性。この作品だけに限ったことではないが、それぞれの生き様があり美しい。ポワロに振り回されるヘイスティングズ大尉に同情と共感。焦らされ続けるだけに、最後の謎解きは爽快さがある。が、目的のために平然冷静と人を殺す犯人の心境にゾッとする。別の出版社は『エッジウェア卿の死』で出てるらしいので、私がかぶって買わないようにここに書いておきます。2011/10/25