出版社内容情報
老舗デパートのショーウィンドウから転がり出た死体の謎を解き明かし、唯一無二の犯人を指摘するエラリーの名推理! クイーンの名を不動のものとした、国名シリーズ第2弾。
内容説明
五番街にある“フレンチズ・デパート”のウィンドウに展示された寝台から、女性の死体が転がり出た。被害者はデパートの取締役会長の後妻。遺体のくちびるには口紅が塗りかけで、所持していた別の口紅からは謎の白い粉が発見される…。この怪事件から唯一無二の犯人を導き出す、エラリーの名推理。巨匠クイーンの地位を不動のものとした“国名シリーズ”第二作。
著者等紹介
中村有希[ナカムラユキ]
1968年生まれ。1990年東京外国語大学卒。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
-
公開本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
56
エラリーは若い頃なので探偵の傲慢で警視であるお父さんを煙に巻いて大変、エラそうですが・・・・(怒笑)それに対して息子に情報提供を怠らず、無能な上司にヘイコラしたことに落ち込むエラリーお父さんが可愛いです。不自然な化粧や白粉の謎はオマージュ作や別作品で嫌というほど、使われているので「ああ、あれかな・・・・」と早々と見当は付きましたが犯人は予測できませんでした。この作品はミステリー読みとしては純粋にフーダニットを考える面白い本です^^2013/04/05
がたやぴん
50
エラリーの独壇場ではあったが満足。状況証拠とアリバイで容疑者を絞っていく、王道の本格。ローマ帽子より隙がなく、小出しに提示される情報の順番も見事だった。読者への挑戦の寸前まで犯人が断定できない構成であったことが素晴らしい。ってことは、お前かぁぁってなれた。解答編は、一気に自分の推理の確認作業と重なり素直に楽しめる作品です。2015/01/11
Kiyoshi Utsugi
39
エラリー・クイーンの国名シリーズの第二弾。 舞台はフランスではなく、ニューヨーク五番街にあるフレンチズ・デパート。そこのウィンドウで発見された死体は、フレンチズ・デパートの取締役会長のサイラス・フレンチの後妻であるウィニフレッド・マーチバンクス・フレンチで銃を2発撃たれてます。 この犯人を解き明かすのは、ニューヨーク市警のリチャード・クイーン警視とその息子のエラリー・クイーン。 結構綿密に組み立てられた作品で面白かった。 国名シリーズの第3弾も図書館で予約してあるので、入手が待ち遠しい。😀2021/07/04
ホームズ
30
国名シリーズの中でも割と地味な作品なのかな~。良い評価も悪い評価もあまり聞かない感じで(笑)個人的には雰囲気が好きな作品です(笑)しかし犯人は少し微妙な感じがしてしまった。このまま国名シリーズは新訳で全部出してくれるのかな~。ファイロ・ヴァンスのシリーズはどうなったんだか?(笑)2012/10/24
カノコ
29
デパートのショーウィンドウに展示された寝台から女性の死体が転がり出た。この怪事件にエラリー・クイーンが挑む。〈国名シリーズ〉二作目。塗りかけの口紅、謎の白い粉、五本の鍵……手がかりはありすぎるほど存在しており、すべてを整理できるのか不安になるほど。しかしそれらが点つなぎパズルのように繋がり、美しい星座が見えるような解決編は本当に素晴らしかった。場面転換がほぼない捜査パートは少々退屈だったが、幕切れの鮮やかさがすべて払拭してくれた。過程ばかりが面白いミステリは数多あるが、これは確実に推理パートが最も面白い。2024/03/19