内容説明
外科医が手術室でシーツをめくると、患者は殺されていた。被害者は、百万長者の老婦人アビゲール・ドールン。たまたま事件の発生を目の当たりにしたエラリー・クイーンは、父やその部下の刑事たちと、関係者から事情を聴取していくが…。緻密な推理を駆使して、エラリーが指摘した意外な犯人とは?フーダニット、ハウダニット、ホワイダニット、そのすべてが最高水準の傑作。
著者等紹介
井上勇[イノウエイサム]
1901年広島県生まれ。1923年東京外語大卒。主な訳書に、ヴァン・ダインの全作品、クイーンの国名シリーズがある。その他ミステリ、SFの訳書多数。1985年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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藤月はな(灯れ松明の火)
39
まずは登場人物の紹介が「黒い羊」など知っている人にすれば「・・・・酷い言い草だな」と苦笑すること、間違いなし(笑)トリックがミステリ・ファンなら御馴染みなものだった分、クイーン警部の推理の方がインパクトがありました。クイーン・シリーズ転換期となった『十日間の災厄』の狂信者の原型も伺えてふむふむ。2013/08/09
ピッポ
35
【再読】国名シリーズ三作目。オランダ記念病院が舞台です。良い意味で遊びのない純粋なパズラー小説。手掛かりは全て提示されていて、クイーンの美しいロジックを存分に楽しめる作品です。真相が明かされる最終章では大きなカタルシスを感じました。クイーンの最高傑作のひとつだと思います。2016/01/31
Kiyoshi Utsugi
34
国名シリーズの第3弾です。 事件は、ニューヨークにあるオランダ記念病院で発生します。 殺されたのは、この病院を建てた百万長者の老婦人であるアビゲール・ドールン。彼女は、手術を行うことになっており、まさにその手術室のベッドの上で絞殺されます。 同病院の外科主任であるジャニー博士に見せかけた人物が容疑者として上がりますが、果たしてその人物はジャニー博士その人なのか、全くの別人なのか。 この殺人事件をクイーン父子が解き明かすというものです。 これは、前の二作よりも面白かったです。2021/07/11
きのこ
20
やられた。わかんなかった。エラリーのイライラする引き延ばし癖は、読者に代わってクイーン父が突っ込んでくれるからスッキリ。地味だけどじっくり読み応えのある推理小説でした。面白かった。2018/02/09
ホームズ
20
フェアープレイの教科書といわれるくらいですからね(笑)しかし絆創膏の話はどうも納得いかない感じです。そう言うものなのかもしれませんがね(笑)今回は割とジューナも登場してくれて良かった(笑)フェアープレイとしての評価は高いですが残念ながら小説としては他の国名シリーズと比べて落ちてしまう気がしますね。とりあえず次は『エジプト十字架の謎』を読みましょう(笑)2009/12/30