内容説明
洋の東西を問わず、来し方行く末かわりなく、素人玄人の垣を越えて、ありとあらゆる犯罪者の飽くなきテーマである“完全犯罪”。この言葉の蠱惑的に甘美な響き…本書においては、もはや見果てぬ夢ではない。アンソロジスト自ら「ぺてん師エラリー・クイーン」をもって永遠の主題を追究する。善人なをもて往生をとぐ、いはんや悪人をや―偉大なる犯罪者と彼らの創造者に乾杯。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kouro-hou
22
警察や捜査官、探偵を出し抜き成功させた犯罪小説アンソロジー。W・H・ホジスン祭り中なので、収録の「陽動作戦」について。怪奇幻想小説で知られるホジスンの連作シリーズ「ゴールト船長」の一篇。副業の密輸で荒稼ぎするゴールト船長の口八丁手八丁ぶりが本人の日記覚書形式で書かれています。とりあえず怪異無しw 切れ味がいいとは言いがたい作品ですが、ミステリ作家が本職ではない&ミステリを手探りで書いているのがうかがえて微笑ましい。E・クイーンが選抜したコレが一番出来がいいんでしょうが、未訳の他篇も読んでみたいです。2016/04/20