感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜間飛行
205
正月はミステリを読みたくなる。岸壁のそそり立つ岬、奇妙な滞在客の顔ぶれ。黒ステッキ・黒帽子・黒マントだけを身につけた真っ裸の男が、入り江に面したテラスの椅子で絞殺されている…なぜ裸なのか? 逆にいえば、犯人はなぜステッキ・帽子・マントだけを残していったのか? この謎かけはすばらしく脳髄を刺激してくれる。中学生の頃、友だちと夢中になって国名シリーズを読み合い、犯人当てをやった。クイーンは死体の発見状況に工夫を凝らす作家だ。今では見慣れた〝奇妙な死体〟も、昔の作家たちによる立派な発明なのだなあと改めて思った。2025/01/09
優希
46
サスペンス色の強い作品でした。謎だらけの事件に挑むエラリーが紳士のようです。2023/05/13
ハル
19
今回エラリーが挑む事件は、裸にマント一枚の姿で殺された男の謎。どうしてこんな不可解な姿で殺されていたのか、その謎が論理的に解き明かされたとき、自ずと犯人の姿が浮かび上がる…という構成は見事でした。 ただ、犯人は序盤からなんとなくわかってしまう(それを導き出す推理の過程はすごく面白いけれど)。ドラマ的なストーリーが重視されているのか、謎が解かれたときの爽快感もイマイチではありました。 あと、日本語訳があまりにも古臭く固い文章で読みづらい…新訳版読めばよかった(´・ω・`)2016/01/24
kate
16
国名シリーズ第9作。この作品では発見された死体の不可思議さと被害者の悪どさ、それから派生された出来事が中心に描かれており解決へのロジックはいつもほどの切れ味は無い気がします。そして自分なら下着はそのままにしておくな…2013/10/30
なべさん
14
スペイン岬を訪れたエラリーは、裸だが帽子とステッキと、マントを羽織った奇妙な死体と出会う。奇怪な事件な謎に迫る国名シリーズ9作目。裸でマントを羽織っている謎がまさかね。面白かったです。実はエラリークイーンの作品の4分の3は苦手でどうも眠くなる。進まない。けど最後の4分の1がやばい面白い!すぐ読み終わる。最後解決編を読むために、読んでいるようなもの。新しい新訳のシリーズも読んでみたいな。1番いいのは原作を読めればいいのだが、英語が…2014/02/22