出版社内容情報
鈴木大拙(1870-1966)の最晩年-驚くべし,90歳前後-に書かれた思想的エッセイを収録した『東洋的な見方』を中心に,同時期の好文章を加えて再編成.世界にとって失われてはならない「東洋のよきもの」とは何か-文字通り世界に出て西洋を自らの生活世界とした著者が,身をもって探求しつつ生きたそのドキュメント.
内容説明
鈴木大拙(1870‐1966)の最晩年―驚くべし、90歳前後―に書かれた思想的エッセイを収録した『東洋的な見方』を中心に、同時期の好文章を加えて再編成。世界にとって失われてはならない東洋の「よきもの」とは何か―文字通り世界に出て西洋を自らの生活世界とした著者が、身をもって探求しつつ生きたそのドキュメント。
目次
東洋文化の根柢にあるもの
東洋的見方
東洋「哲学」について
禅と漢文学
東西雑感
自由・空・只今
このままということ
妙
現代世界と禅の精神
創造の自由―『荘子』の一節〔ほか〕
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
D
27
やはり鈴木大拙は面白い。西洋思想に対しての挑戦。「変化があるから生であり、永遠というものは死である。永遠がある楽園というものが存在するのだろうか。本当の意味での楽園は変化がある穢土である」という主張がとても興味深かった。禅というよりも大乗仏教特有の死生観だと思った。2015/10/22
Tomoichi
13
禅について書かれたものは難しく?マークだらけでしたが、エッセイ集なので楽しく読めるものもあります。鈴木大拙は私には難しすぎるので、もういいかな。。。2021/06/05
里馬
12
『「禅の話などアメリカ人にわかりますか」と大拙に尋ねたが、「先生の答えはまことに簡単、「君たちはわかるのかね」。間髪を要れずとはまさにこのことである。』私はそもそも大拙先生の話からして理解できなかった。うーん...再挑戦だ。曹洞宗、臨済宗とか受験で聞きかじった程度しか禅が何かわからない。授業時間も足りないし、政教分離的な流れですか。そうですか。はいそうですか。でもね?一般常識じゃないけど、主要宗教の紹介位良いんじゃないかなって思う。これ読んでて“東洋的な見方”に圧倒されて背筋を伸ばさずにいられなかったから2009/05/14
オザマチ
11
西洋のように何でも二元論で片付けることはできないが、東洋のように悪習を考え直すことなく受け入れることも良いことではない。宗教的な色が濃いかと思いきや、政治や太平洋戦争にも触れて意見を述べている。悪いところでも西洋だからと受け入れて、東洋的に自己を顧みることの無い人間にはなりたくないな。2015/01/17
スズコ(根っこと翼編)
7
残念ながら期待して程を得ることはできなかった。理由としては、私が漢詩を読めないことや、そして作者の説く禅宗の教えが私には全く理解できない流儀のためでもある。またこの作者の言う東洋は中国であり、仏教は日本仏教で、東洋の源泉インドではない。この本が最初に出版された当時この内容が斬新で受けたことは想像が難しくない。ただ50年程経ち、目に見える東洋西洋も、その混ざり合ったものも随分変わった。今の時代、批判内容も提案の折衷案も目新しいものではない。既に著者の視点の次の次へと時代が動いていることを実感した。2015/04/18