創元推理文庫<br> ガーデン殺人事件

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創元推理文庫
ガーデン殺人事件

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  • サイズ 文庫判/ページ数 340p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488103095
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

一発しか聞えなかった銃声は、たしか二発射たれたはずだった。しかも聞えた一発は空弾だった。ニューヨークの住宅街の中心、二十階建の高層アパートの屋上ガーデンで、競馬に全財産を賭けた青年が怪死した。事件は、その最初から終りまで現場に立会ったファイロ・ヴァンスをして、完全犯罪と驚嘆せしめるほど巧妙をきわめたものだった!放射性ナトリウムと、ラテンの古典、そして当代屈指の名馬という解読不可能な組合わせをついに可能にするファイロ・ヴァンス会心の推理。

著者等紹介

井上勇[イノウエイサム]
1901年4月30日、広島県に生まる。1923年東京外語大卒。英米仏文学の翻訳に活躍
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

雪紫

57
みんなでラジオの競馬に盛り上がれ!だが、全財産賭けた男がピストル自殺・・・かと思いきや、まさかの勝利者で、他殺らしくて。本人の発言もあって色々言われがちな後期6作の中で一番評価の高い本作。犯人こいつだなー。と思いながら見てたけど、競馬テンションと言い、ヴァンスを悩ませた謎の解決といいこれと「カシノ」はもっと評価されても良いと思う。ただ出馬表の関係はともかく、ヴァンスにロマンスは・・・いるのか(個人的に犯人こいつかと疑ってたのあって、あのキャラの印象薄かったし)?2024/12/18

LUNE MER

21
ヴァンスが身体を張って犯人を罠に嵌めるラストの展開は好き。普通はこの展開でワトソン役が取り乱してかなりオロオロするお約束のシーンが挿入されるところだが、本シリーズにおけるヴァンはワトソン役でもないんだよな。トリックやロジックの面で目を惹くものが特になく、犯人もそれらしい人物がそのまま犯人なので意外性もないのだが、推理小説としての面白さは本作まではキープされていると思う。脈絡のないヴァンスのロマンスが果たして必要だったのかどうかは❓だが。次回の誘拐殺人事件は作風崩壊を愉しむものだった記憶がある。楽しみ。2022/05/19

歩月るな

12
「たそがれ近く、こんな景勝の地点から眺めた、ニューヨークほど美しい町は、世界じゅうどこにもない」結末を演出する大舞台、二十階建ての高層アパートの屋上ガーデン。事件発生までの時間を見るとまさに狡知に彩られた「ゼロ時間」へ向かっていく様が何とも見事に綴られていく。それよりも、解説のニューヨークのど真ん中のヨーロッパ憧憬ユートピア探偵小説であった初期三部作と、六作目以降は「アメリカ再学習」的な「拷問」の果てに生み出されたのではないかと言う考察が、最初に引用したヴァンスの発言に結実するように思える。世界が変わる。2018/05/08

ホームズ

6
屋上で聞こえた銃声の謎など色々な謎は面白かったと思います(笑)後半のファイロ・ヴァンスシリーズの中では1番出来がいいと思います(笑)しかし推理の後は相変わらずヴァンスのツメが甘いですね。2009/02/20

餅屋

4
「ファイロ・ヴァンス」もの9冊目▲一発しか聞こえなかった銃声。ニューヨークの住宅街の中心、屋上ガーデンで、競馬に全財産を賭けた青年の怪死▼ファイロの競馬予想法が理にかなって現代と変わらない。競馬場に足を運ばねばラジオか結果発表だけとは味気なく、ラジオNIKKEI実況中継の素晴らしさに感じ入る。ノミ行為なのに鉄火場感なく家庭遊戯然、あのオッズに全掛けして絶望…?と怪しさ爆発。前作イマイチだった活劇を減らし、雰囲気を本格に寄せて、自分からの巻き込まれミステリへ。キャラクター小説感が増してきたよね(1935年)2024/01/06

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