出版社内容情報
珠玉の推理短編を年代順に集成し、1960年初版で以来版を重ね現在に至る『世界短編傑作集』を全面リニューアル! 第3巻にはフィルポッツ「三死人」、クリスティ「夜鶯荘」、ワイルド「堕天使の冒険」、ユーステス「茶の葉」、ウイン「キプロスの蜂」、ロバーツ「イギリス製濾過器」、ヘミングウェイ「殺人者」、コール夫妻「窓のふくろう」、レドマン「完全犯罪」、バークリー「偶然の審判」の1920年代の作品10編を収録した。
江戸川乱歩[エドガワランポ]
編集
内容説明
欧米では、世界の短編推理小説の傑作集を編纂する試みが、しばしば行われている。本書はそれらの傑作集の中から、編者の愛読する珠玉の名作を厳選して全5巻に収録し、併せて19世紀半ばから1950年代に至るまでの短編推理小説の歴史的展望を読者に提供する。本巻には、フィルポッツの「三死人」からバークリー「偶然の審判」まで、1920年代の読み応えある佳品10編を収録した。
著者等紹介
江戸川乱歩[エドガワランポ]
1894年三重県生まれ。1923年の“新青年”誌に掲載された「二銭銅貨」でデビュー。『怪人二十面相』に始まる少年物で年少読者の圧倒的な支持を集めた。1965年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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- 評価
孤独な建築家の本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紅はこべ
127
偶然にも殺人者が心臓が弱かったという作品が2作収録。心臓の弱い人は殺人をするべからずという教訓。「茶の葉」はカー+ホームズ物の某名編。「イギリス製濾過器」で、科学者である探偵役が、網膜に残った映像が現像できると言ったが、それ、本当に可能か?「偶然の審判」は本当にこれだけで完璧。それをあの名作長編に仕立て直すとは、やっぱりバークリーは天才。一番印象に残ったのは「完全犯罪」でした。自分の才に自信があり、名誉欲の強い天才は恐ろしい。2019/02/05
KAZOO
106
新しい方と昔のを比べると三つほど入れ替わっています。数十年前に読んだもので題名などを見ても思い出せませんでしたが、やはり読むと思いだします。アガサ・クリスティアントニー・バークリーはやはり傑作です。今回の3巻にはイーデン・フィルポッツの「三死人」やヘミングウェイの「殺人者」などがありこれまた楽しみました。2019/03/11
たち
43
どの話も入念に作り込まれた話ばかりで、とても楽しめました。最後がとても意味深長だった、「夜鶯荘」と「完全犯罪」、凶器が面白い「茶の葉」「キプロスの蜂」。中でも一番気に入ったのは、「堕天使の冒険」です。詐欺師の執念を感じました。2019/07/29
本木英朗
39
〈世界推理短編集〉の新訳版3巻である。イーデン・フィルポッツの「三死人」を始めとして、パーシヴァル・ワイルド「堕天使の冒険」、アントニー・ウィン「キプロスの蜂」など、今回も超凄かったです、はい。でもやっぱりアガサ・クリスティ「夜鷺荘」&アントニイ・バークリー「偶然の審判」の二つが最高だったと思うよ、俺はね! まあ、みんなと言えばみんななんだけれどね。旧訳もよかったけれど、新訳も大満足でした!! ……では4巻でお会いしましょう。2023/04/02
いっくん
38
『三死人』関係者の性格、人となりを研究し事件と照らし合わせてみると自ずから答えが導き出される。ペダンチックな解決編。『堕天使の冒険』途方も無い細工を施されたカード。肩凝りそう(笑)『夜鶯荘』ナイチンゲール荘。危機一髪!『茶の葉』『キプロスの蜂』『イギリス製濾過器』古典ミステリらしい作品たち。『殺人者』ハードボイルドの技。『窓のふくろう』この時代の電話って?今では不可能なトリック!『完全犯罪』捻りを効かした逸品。『偶然の審判』“毒入りチョコレート事件”の短編バージョン。こちらはスッキリな解決(^_^*) 2019/02/24